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校長ブログ NO.7

2022年6月27日

《校長ブログ NO.7》 

 "駆けつけて力になる本"との出会いを

 大阪府出身の、医師であり、小説家でもある夏川 草介さんが『本を守ろうとする猫の物語』(小学館、2017年)という本を書いています。この本に登場する「猫」は、本の価値を真に理解している者にしか、その姿を見ることはできません。「猫」は、主人公の林太郎とともに「本を救い出す冒険の旅」に出発します。迷宮への旅の中で、「猫」は林太郎の勇気を引き出していくことに...。

 読み進めるうちに、次の二つの文章に目が止まりました。

 「本にはたくさんの人の思いが描かれています。苦しんでいる人、悲しんでいる人、喜んでいる人、笑っている人...。そういう人たちの物語や心に触れ、一緒になって感じることで、僕たちは自分以外の人の心を知ることができるんです。身近な人だけじゃなくて、全然違う世界を生きている人の心さえ、本を通して僕らは感じることができるようになるんです。」

 「大切にされた本には、心が宿り、そして心を持った本は、その持ち主に危機が訪れたときに、必ず駆けつけて力になる」

 文字に込められたたくさんの思いや魂の息吹が、読み手の心に沁みわたり、本は、時に、駆けつけて力になる"友"になってくれるのだと思います。

 本校では朝の読書活動を行っています。始業前のわずかな時間ですが、生徒たちは自分で用意した思い思いの本を熟読しています。夏休み、じっくりとつきあえる、よき本との出会いがあることを願っています。

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