校長あいさつ

 

一人ひとりの夢を咲かせる学校

 本校が立地する此花区の地名は、古今和歌集の「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」の歌に由来しており、本校の校名もこの歌にちなんで付けられました。さらに、「咲くやこの花」には、「生徒一人ひとりの夢を咲かせる学校」となるようにとの願いが込められています。大阪市内で初の公立中高一貫教育校として、平成20年4月に開校して以来、大阪府内のみならず、全国からも高い注目をいただくようになってきています。また、卒業生たちも社会の各分野ですばらしい活躍を見せてくれています。 この4月より、大阪市から大阪府に移管され、「大阪府立咲くやこの花中学校」として、新たな一歩を踏み出すことになりました。

 本校では、中高の6年間で、高い専門性に根差した才能や創造性を育むことをめざしています。「ものづくり(理工)」「スポーツ」「言語」「芸術(美術・デザイン)」など、早い時期から興味・関心の現れやすい四つの専門分野に焦点化し、各分野20名ずつ、一学年80名の生徒を大阪府内全域から募集しています。本校の特色の一つである「分野別学習」では、木曜日の5・6時間目に、高校の教員がレベルの高い授業を行っています。分野と深くつながっている部活動や分野ごとの活動を組み込んだ研修(修学)旅行も生徒たちの楽しみの一つです。このような専門性の高い学びを支え、促すために、「一貫性」や「交流性」を重視したカリキュラムを編成しています。

 「一貫性」では、たとえば、中学校の分野学習から高等学校・総合学科の系列学習へと、6年間の長期的な視野に立った、学びが保障されていることがあげられます。生徒たちは、高校受験を意識せず、主体的で探究的な学びに全力を傾け、確かな専門性を継続的・計画的に磨いていくことができます。中高とも体系的なキャリア教育を大切にしており、将来の進路につながるような、魅力ある体験活動や多彩な表現活動の場を設けています。

 「交流性」では、たとえば、一つの学級に四つの分野に所属する生徒が10人ずつ集まり、それぞれの興味・関心や才能を生かしながら、学び合っている姿があげられます。さらに、中高合同体育祭など、高校の先輩たちと協同して活動する機会もあります。吹き抜けの交流ホール、校舎中央にある広い図書館、青空が広がるウッドデッキ等、生徒たちが豊かに学び、交流することができる教育施設も本校の自慢の一つです。

 中高とも校訓は「進取・創造・敬愛」です。「進取」は、自ら進んで新しい目標に向かって積極的にチャレンジすること。「創造」は、豊かな表現力を生かし、新しい価値をつくり出すこと。「敬愛」は、思いやりや親しみの心を持って、周囲の人たちと調和を図ることを意味しています。2年以上にわたり、コロナ禍の大変厳しい状況が続いていますが、生徒たちは、この校訓を胸に、仲間とともに、毎日たくましく、元気いっぱいに挑戦を続けています。

 これからも、すべての生徒が大きな夢や高い志を育み、心豊かに、力強く未来を切り拓いていく力を身に付けることができるよう、教職員一同、一丸となって取り組んでまいります。本校の一層の充実・発展に向け、ご関係の皆様のご支援とご協力を心よりお願い申しあげます。

大阪府立咲くやこの花中学校

校 長   井寄 芳春