「やってみなければわからない」

先日の終業式で生徒の皆さんにお話しましたが、昨年度の卒業式の式辞の中で触れた内容になります。

次年度の高校生活、そして高校卒業後に始まる新たな人生において、皆さんにとって一歩を踏み出すきっかけの言葉になることを願って、ここに紹介させていただきます。

「やってみなければわからない」

この言葉は、自動車メーカーのホンダの創業者、本田宗一郎さんの言葉です。

私が学生の頃に本田宗一郎さんの本の中で出会った言葉であり、常日頃、普段の日常生活や仕事など、さまざまな場面において、大切にしている言葉です。非常にシンプルで分かりやすい言葉ですが、私自身、これまで幾度となくこの言葉に背中を押してもらった経験があります。

人は誰も未来のことなどわかりません。できるかどうか、成功するか失敗するか、誰にもわかりません。日常に起こりうる身近な課題、自分自身の将来に向けた大きな夢や希望。その際に現れる障壁に直面した時に、誰もが不安を感じることでしょう。本当にうまくいくのか、もしも失敗したら。そうしたネガティブな考えや不安が、夢や希望を飲み込んでしまうかもしれません。けれども、結果は挑戦してみないとわからないものなのです。

これから皆さんが進む大学や専門学校、会社の職場において、そうした場面に遭遇した時に、皆さんはどのような選択をするでしょうか。結果は挑戦してみないとわかりませんが、ただ一つだけ、はっきりとわかること、言えることがあります。「できなかった」と「やらなかった」では、たとえ結果が同じであったとしても、その意味あいは全く異なるものになる、ということです。当然ながら、挑戦してもうまくいかないことや失敗することもあります。私自身、何度もそうした経験を重ねてきました。ホンダの創業者である本田宗一郎さんは、何度も挑戦し、何度も失敗し、それを繰り返しながら今のホンダの礎を築いてこられました。「できなかった」と言える人は、次にどうすればできるようになるかを考え、行動に移すことができる人だと私は思っています。皆さんには、胸をはって「できませんでした」、と言える人になってくれることを期待しています。そしてその先にある大きな成長を心から期待しています。

やる前からあきらめてはいませんか?

自分には無理だと決めつけてはいませんか?

最後にもう一度、皆さんにこの言葉を送ります。

「やってみなければわかりません。」