理数科
1.理数科の目標
自然科学に関するより高度な概念・原理・法則などに対する系統的な理解力や科学的・数学的な問題の処理能力を向上させ、科学技術分野で活躍できる人材の育成を目標とする。
2.理数科の特色
理工系大学・学部への進学に適した教育課程を編成している。理科・数学は、実験・実習・演習の充実とともに、少人数制授業を展開し、深い学びが実現できる教育体制を整えている。1年生から数学・理科に重点を置き、実験、演習、理数科行事(野外観察実習、施設見学、理数科講演会)等の多面的・多角的な学習機会のもとで、科学への興味・関心を高め、学習意欲の向上、問いを発見する力、科学的考察力を育成している。2年生で行われる「理数探究」では、生徒自らが、研究テーマを設定し、研究を進めその成果を発表し、質疑応答を通して、研究内容の深化をはかるとともに、プレゼンテーション能力を高めている。
3.理数科の特色ある授業及び行事
(1)【第1学年】理数実習
理科(物理・化学・生物・地学)と数学の観点から、自然と接するさまざまな実習の体験を通じて、自然の奥深さを知り、一人ひとりの豊かな感受性・探究心・根気あふれる実行力を養う。1単位を夏季休暇中に行う野外観察実習、1単位を野外観察実習における事前・事後学習とし、与えられる学習から主体的な学習へ導くことを目的として実施している。
(2)【第1学年】野外観察実習
夏季休暇中(7月下旬)に、「自然と接する体験を通じて、自然の奥深さを知り、一人ひとりの豊かな感受性・ 探究心・根気や目標に向けて行動する実行力を養う。また、2年生に実施する理数探究に向けた実験知識・技能を身につけること」を目標として、京都府京丹後市網野町方面で理数実習の1単位として3泊4日の宿泊実習を実施している。主な実習内容は下記の通り。
① ウニの発生 ② 海岸生物観察 ③ 解剖実習 ④ 天体観測 ⑤ 鳴き砂文化館見学
⑥ 玄武洞見学 ⑦ 製塩所見学 ⑧ 数学実習 ⑨ 丹後地方の植物観察と標本作製
(3)【第1学年・第2学年】理数科講演会
高大連携事業として、大阪公立大学の先生を講師としてお招きし、「高校での学習がどのような学問や技術につながっているのか、身のまわりの自然の事物や現象に関する興味・関心を高めるとともに、学習意欲の向上を図り、問いを発見する力・科学的に探究する力を養うこと」を目的に実施している。過去の演題は以下の通り。
第1学年 理数科講演会
2019年度「極限環境に適応した変わった植物」
2020年度「チバニアンと地質時代」
2021年度「光で探るナノの世界」
2022年度「生かすも殺すも硫黄次第!?~これまで見落とされていた超硫黄分子の生物学的意義~」
2023年度「適合度検定」
第2学年 理数科講演会
2019年度「重力波で聴く宇宙~中性子星、ブラックホール、宇宙の始まり~」
2020年度「世界はねじれたモノにあふれている~ねじれの素を見てみよう~」
2021年度「初歩的なグラフ理論(ケーニヒスベルクの橋, 4色定理などの紹介)」
2022年度「異次元ワールドへのお誘い」
2023年度「石は伸びる 断層の中の話」
(4)【第1学年】自然史博物館見学
「自然の中にいる人類の一員として、よりよい未来、よりよい生活環境の実現に向けて、自然の成り立ちとそのメカニズムを歴史的に理解し、自然の保全、自然との共存へ貢献できる素養を培うこと」を目的に実施している。
(5)【第2学年】大阪公立大学見学会
高大連携事業として、大阪公立大学の御協力により、「大学の先生方の講話及び質疑応答を通して大学を知るとともに、最先端の研究に触れ、学問分野への理解を一層深めるとともに、理系進学の将来像を思い描く一助とすること」を目的に、一般のオープンキャンパスでは、入ることができない研究室の見学を実施している。
(6)【第2学年】理数探究
「班ごとにテーマを設定し、生徒相互の対話や意見交換によって物事のいろいろな見方を学ぶ。またその過程で各人が協力して調査や実験を行い、意欲的に自発的・探究的な学習に取り組み、課題を解決すること」を目標として実施している。
4.卒業後の進路
大多数が大学の理系学部(理学部、工学部、農学部、薬学部等)へ進学する。文系学部(経済学部、法学部等)へ進学する生徒もいる。理数科で身につけた技能(科学的考察力、プレゼンテーション能力等)を活かし、総合型選抜・学校推薦型選抜等で国公立大学に合格した生徒もいる。