校長あいさつ

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 本校は1923年(大正12年)に大阪市立工芸学校として設立され、昨年創立100周年を迎えました。設立当初は金属工芸科・木材工芸科・工芸図案科を設置し、大阪で唯一のデザイン・工芸を専門的に学ぶ学校としてスタートしました。その後、時代の要請とともに学科の新設・改編を行い、現在工業デザイン系5学科(ビジュアルデザイン・映像デザイン・プロダクトデザイン・インテリアデザイン・建築デザインの各学科)と美術科を設置する、デザイン・造形・美術を総合的に学ぶ専門高校としてその歴史を今に受け継いでいます。

 多様な夢や希望を持った生徒が集う本校の象徴である赤レンガ造りの本館校舎は、世界の近代デザイン界をリードしたドイツのバウハウスの前身であるワイマール工芸学校をモデルとし、19世紀初頭にヨーロッパで流行したアールヌーボー様式を取り入れた由緒ある建物です。その歴史的価値が評価され、2000年(平成12年)に大阪市指定有形文化財に、2009年(平成21年)にはわが国の産業近代化の歴史を物語る建築物として、経済産業省の近代産業遺産に登録されました。これまで20,000名に及ぶ卒業生は、産業界・芸術界を拠点に様々な分野で活躍され、我が国の経済や文化・芸術の発展に貢献されるだけでなく、その活動の場は世界にまで広がっています。

 人々の生活空間を豊かにし、新たな価値を創造するデザイン。自らの思いや感情を絵画や彫刻などの作品に込め、人々に様々な感動を与える美術。本校は産業・文化の継承を担う全国でも希少な専門高校として有為な人物の育成に取り組んでおり、大阪府立学校となっても学校の本質は変わることなく、これまでの歴史と伝統を基礎とし、さらなる発展をめざすべく努力を続けてまいります。

令和6年4月

校長 角 芳美