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校長日記其の三百五十七~デジタルの功罪~

 小中学校におけるデジタル教科書の本格導入について、国は2024年度をめざしているが、現場では様々な懸念が生じている。読売新聞社の調査(小中学校500校対象)によると、デジタル教科書への移行について、9割近くの学校が何らかの懸念を抱いているという。

 懸念の理由として最も多いのが「端末の不具合や故障」であり、不具合があるたびに中断するという。また、1人1台端末は配備されても、学校の通信環境が整っていなければ、通信速度が遅かったり、動画が見られなかったりと、余計にストレスになる。

 そのようなハード面での懸念に加え、「ネットで検索すれば、一瞬で答えがわかる。自分で考える力が身につくのだろうか」とか、「授業中に、授業とは関係のない動画を見たり、ゲームをしたりする。そこまで指導が行き届かないのでは」といった教育面の懸念もある。実際に、学習とは関係のない「目的外閲覧」は、回答した学校の52%に上り、多くは「ゲーム」や「YouTube」であるという。

 スマホを筆頭に、デジタル図書や図鑑など、効率よく、また、視覚・聴覚にも訴えかける教材としては効果的であるが、何事にも功罪はある。導入するなら「罪」の部分をできるかぎり解消できる策を検討したうえで導入すべきだと思う。何せ分別のある大人でさえも電車内でゲームに夢中になるのである。子どもにやめよといっても聞くはずがない。やめさせる方法は一つだけ。ゲームより面白い授業をすることである。言うは易し、行いは難し。精進あるのみ、である。

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