校長日記其の三百八十六~圧倒的礼儀~
「圧倒的」という言葉があるが、昨日の井上尚弥vsノニト・ドネアの闘いはまさにそれだった。特にボクシングファンと呼べるほどではないし、昔あったボクシング熱も冷めてはいるが、昔に比べると、すがすがしい良い試合や、逆に、これぞ死闘と呼ぶべき試合が多くなったのは確かで、クリンチ等で時間稼ぎをするボクサーは減った気がする。
井上選手は、それこそ「拳一つで世界を獲る」というフレーズがピッタリ、「圧倒的な強さ」というしかない。同じく日本の村田選手も、好青年のボクサーであるし、負けはしたが、数か月前にも素晴らしい闘いを見せてくれた。どちらも、精神力の強さは当然だが、科学的なトレーニングが後押しし、立派な選手で、人気があるのもよくわかる。
昨日は、ボクシングの試合そのものも圧倒的だったが、負けたドネア選手の腰の低さ、謙虚さにも畏れ入った。負けた試合後に、アウェイの土地で何度もお辞儀をする姿に、本当の心の強さ、圧倒的な相手に対する礼儀、器の大きさを見た。心の弱い人や相手を蔑む人は、あのような態度はきっととれない。
拳落とし 頭を垂れる 器かな
「挨拶、挨拶」と言いすぎるのもどうかなと、心が折れそうなときもあるが、大事なことは大事なこと、粘り強く伝えたい。自省の念、東高生!