最新情報・お知らせ

校長日記其の四百十七~傾聴力~

 今やほとんどの学校に配置されている「スクールカウンセラー」。東高校にもおよそ月1回勤務していただいており、生徒や保護者、教職員の相談に乗っていただいている。それぞれが異なる不安や悩みを抱えているであろうから、これはこうして、それはそうして、というような単純なことではないし、まして、スクールカウンセラーの先生がすべての不安を解消できるものでもない。

 プライバシー保護の観点から、相談内容はわからぬが、スクールカウンセラーの先生のおかげで、少し気持ちが楽になったとか、不安がなくなったとか、学校に来ることができるようになった、という事例はたくさんあり、生徒のプラスになっていることは確かである。

 教師は「教えること」が仕事のため、相談されるとついつい思うままに解決策を提示してしまうが、先生は「とにかく不安や悩みを聞いてあげることが大切です」とおっしゃる。いわゆる『傾聴力』が必要だ。例えば、職員室に生徒が相談に来た時、座ったまま話を聞くか、生徒を座らせて話を聞くかによって、既に『傾聴力』に差がある。教師も多忙なため、次の授業の準備や資料を作成している時に生徒が相談に来るが、その際も作業を続けながら、「何だ?後にしてくれるか」と答えるか、「もうすぐ授業やから5分しかないけどええか?」と答えるかで、生徒の信頼度は変化する(数十年前なら、9割ほどの生徒が「すみません、また出直してきます」と戻ったかもしれない。言葉足らずかもしれないが、その対応自体が不適切ということではなく、あくまでも信頼できる師弟関係があってこその話である)。

 話は耳で聞くのではなく、「目で聞き、身体で聴く」と、言うは易し、行うは難し。カウンセラーの先生から学ぶことは多い。傾聴の意識を高めたい。

 生徒との 距離は年齢 だけでなく