校長日記其の四百二十六~SNSと動画の罪~
電車に乗り、空いている席に座ると、時間にもよるが、イメージとしては8割以上の乗客がスマホを取り出す。多くはLINEやインスタグラムなどのSNSのようだ。次に多いのが、動画かゲームか。高校生や大学生だけでなく、最近は大人の方がゲームに熱中している感がある。いずれにしても、スマホの世界は無限大、熱中するときりがなく、駅を乗り過ごす方もちらほら...。
かくいう私も、出勤時の予定では、Englishサプリを10分、そのあとは読書を20分、そのあとは、当日のニュースや新型コロナウイルスの情報などをチェック...のはずが、まずは前日のプロ野球の試合結果を確認してしまうといけない。その記事を見てホームランやファインプレーの動画をついつい検索してしまう。そのせいで、読書やニュースチェックが後回しになることもしばしば。いかんいかん...と我に返ると京橋に着いている。
別にフリーの時間をどう使おうが構わないが、なぜかかっぱえびせんのような魔力が動画にはあるのだろう。また、子どもの頃の記憶でしかなかった貴重な映像が普通に検索すれば出てくる凄さ、見たい時に見たいだけ見られるという無尽蔵さなど、身体に悪いジャンクフードを欲する気持ちと合わせて、やっかいさはこの上ない。
なぜいきなりこんな話をするかというと、これも先週書いた「全国学力・学習状況テスト」で、SNSや動画視聴を行う時間が長いほど、各教科の平均正答率が低くなる傾向があるとの結果が出たからだ。細かい数値はさておき、今述べたような本来やるべきこと、やろうと思っていたことに費やす時間がSNSや動画に費やされるのだから、正答率が悪くなるのは当たり前だ。それも、偉そうに言う大人がやめられないのだから、子どもにとっては言わずもがなである。コロナで外出を避けたこと、人と接する機会が減ったことが拍車をかけたかもしれない。
一度、大人が立ち止まって、スマホの善悪を見つめ直すべきだと実感している。
スマホより 現実社会も 無限大 人と話して ともに笑えば