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校長日記其の四百三十三~信じることの是非~

 「俺を信じろ!」という言葉を信じて行動した結果、ドラマや小説の多くでは素晴らしい結末が控えている。そこに視聴者や読者は感動を覚えるし、いわんや現実においても、しかと築き上げられた師弟関係や友人関係のおかげで、往々にして良い結果が期待できる。

 しかしながら、終戦記念日を迎えるたびに関連本や特集番組を目にして考えるのは、「信じること」の怖さである。自らの命を捧げることが「お国のため」と信じて玉砕した特攻隊員をはじめ、すでに敗北していることを知らされるとなく、遠い戦地で日本の勝利を信じて戦い続けた兵士の方々の思いはどこにたどり着くのだろう。

 昨日見たTV番組の最後に、池上彰氏が「戦争を始めるのは簡単だが、終わらせるのは難しい」と述べていたが、まさにそのとおりで、命を賭した戦争に潔さなど求めるべくもなく、勝利を信じる者にとっては、最後まで戦い続けることが必然であり、その一方で、落とさなくてもよい多くの命を落とすことになったのも事実である。

 「子供の頃はゲートル巻いて逃げたわ」という親父の戦争体験を、「また、言うてるわ」と幼き頃は面倒に感じていたが、親父も亡くなり、そのような生の声を聴けなくなると、大人になって「寂しい」「もっと聞いておけば良かった」と感じるし、そのような体験した人が減り、多くの者が以前の戦争を忘れてしまう頃に、また日本でも戦争が起きてしまうのでは...と今も続くロシアのウクライナ侵攻を横目に見ながら感じる今日この頃である。

 今年は、自身4年ぶりに甲子園に行ってきた。暑さは想定内だったが、吹奏楽の応援復活ということで、球場全体の生の空気は想像以上に熱く、少し若さを取り戻した......気がする。

  空の青 入道雲の 白さゆえ

 閉庁日明けの本日も、東高生の元気な姿に安心した。元気に、闊達に、若さ爆発、東高生!

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