校長日記其の四百三十四~夏休みあるある~
偶然、ある調査による、中高生の「夏休みあるある」という記事を見た。順位はさておき、「冷房の効いた部屋でダラダラ過ごす」「宿題を早く終わらせるはずが、意気込みだけで終わる」「結局、部活三昧」「曜日感覚がなくなる」「昼夜逆転の生活」が上位を占めるようだ。高校生の場合、部活動に参加しているかしていないかで、相当時間の使い方が変わる。東高校は80%以上の生徒が部活動に入部しているため、夏休みでも、普段の放課後と変わらぬ様子。活気があって良い。生活のリズムも整うはずだ。
その「あるある」つながりで、別に「学校の先生あるある」という記事もあった。生命保険会社が20歳から69歳の教員2000人に調査したとのこと。第1位は「夏休みがあっていいねと言われる」で47.2%の教員が回答したという。続いて、「児童・生徒の珍回答に笑ってしまう(44.9%)」「字を見ただけでどの児童・生徒かわかる(41.6%)」「校区では慎重に行動する(40.8%)」「大切なプリントを配り忘れて焦る(33.0%)」「スーツでもスニーカーを履く(31.2%)」「声が大きいと言われる(29.4%)」などなど、つい肯いてしまう回答がチラホラ。
「夏休みがあっていいね」は、その通りだと思う。私がこんなことを書くと、校長何を言うか...と少なからずお叱りを受けるかもしれないが、普段の授業準備に追われる課業期間よりも心に余裕ができるのは確かであり、そういう意味で、生徒と向き合える時間ができるのも夏休みの良いところでもある。世間で言われている「ブラック」について一言言うとすれば、当たり前だが、総じて教員は真面目なので、仕事に「これで良し」と納得できることが少ないのではないかということ。良し悪しの観点を除くと、生徒の顔を思い浮かべれば、時間が来たから切り上げることなどできるわけがないのが正直なところである。
私の立場からすれば、「良いところで切り上げる」「効率よく進める」といった、いわゆる工夫や調整可能な部分を何とかしていくことは必要だが、これだけ多様な生徒を適切に指導するためには、様々な準備や話し合いが必要なことは間違いない。そのためには、「あっていいね」と言われる夏休みも、単なる「休み」ではないことだけはわかってほしい。
現在、ブラックな一面や待遇の悪さだけがクローズアップされ、教員不足は目に見えて深刻である。教育の実情は世間が思っているよりも大変だとは思うが、少なくとも私自身はトータルで、生徒を見ていると楽しくて仕方がない仕事だと言える。教員を志す若者が一人でも増えることを望む。
と、夏休みの話をしているのも束の間。東高校の夏休みは明日まで。その明日も、3年生は模試。確かに「あっていいね」と言われるほどはないかもしれない。
夏休み 始まりも夏 終われども夏
暑いけれど、忙しいけれど、生徒の人間的成長と進路実現に向けて、協力しながら頑張りましょう、東高校教職員!