校長日記其の四百五十七~働き方改革、いかにせむ~
文部科学省によると、2023年度予算要求に「教員業務支援員の拡充」や「部活動指導員の拡充」などを盛り込み、主に小中学校だが、教員の働き方改革に向けて本腰を入れるらしい。
印刷や電話対応などを担う支援員を約1万4千人増やし、教員に代わって部活動の指導を担う外部指導員を約1万人増やす予定とのこと。その他にも、小学校の35人学級や高学年での教科担任制の導入、教員の授業をサポートする学習指導員を7000人増やすなど、教員の「授業」や「生徒指導」「部活動指導」などを支援するということで、実際に業務支援員を配置した小中学校では、教員1人当たり週2.45時間、勤務時間が減ったという。
教員の働き方改革は、教員自身の仕事に対する納得感、充実感、達成感に個人差が大きく、特に部活動指導については、そのために教員になったという方も少なくなく、一般的な仕事とは感覚が異なる。とはいえ、一般企業の勤務制度と比較すると、常識外れの部分もあり、早期改善が求められる。
制度改革や予算が前提ではあるが、そのような環境整備がなされたとしても、最大の課題は「人材不足」である。教員自体の志願倍率が大きく低下し、教員の資質が問われている今、免許不要な支援員といえども、教育に関わるにふさわしい人物が求められる。そういう意味では、専門的な知識や経験、教育に対する情熱や意欲も必要となる。働き方改革の策として数を揃えれば良いというものではなく、最大の目的が「生徒の成長」であることは言うまでもない。
船頭は 山に登らぬ 指南役 あちこち指せば 船は進まず