校長日記其の四百六十~文系、理系、何するものぞ~
「俺は男だ!」というドラマが昔あったが、今は「男らしさ」や「女らしさ」を無意識に求められない世の中だ。履歴書や個人調査に性別を記載する欄がなくなって久しいし、男だから、女だからと、それが何だということだ。男子バレ・女子バレに男バス・女バス、男サカ・女サカに男ラグ・女ラグ(勝手に略すな)など、一般的に男女別の競技がある中、これまで男性のみの世界であったところに、女性が参戦することが増えてきた。
ここ数日、テレビでもそのような取材の特集があり、大学ボート部に男女別のチームがあるのも関わらず、男子チームに一人の女子部員が所属し、チームを引っ張る存在となっていたり、サッカーJリーグのJ1の主審に初の女性審判が抜擢されたり(余談だが、そのすぐ横に立つ副審が教え子だったり)、女性の男性競技への進出が当たり前になってきた。今年は女子の高校野球も、初めて甲子園で決勝戦を開催した。
よくある男女に関する先入観、偏見と言えば、文系・理系もその一つ。理系といえば男子、という先入観があるのか、女子が少ないイメージがある。実際、私の高校時代も、普通科だったが、3年生では文系・理系でクラス分けされており、理系クラスには、女子が40人中3人のクラスもあった。
実際、経済協力開発機構(OECD)の2019年統計調査では、「理工系分野を専門とする女子大学生の割合」について、イギリスの23%、イタリアの22%、韓国の21%、ドイツの20%に比べて、日本は7%と極端に低い。原因の一つだと言われているのが、進学校の大学受験対応のための早期文理コース分け。本校もそうだが、1年生のうちに文理を選択し、2年生からコースに分かれて学習する。そこから進路実現(大学受験)に向かってまっしぐらである。生徒や保護者のニーズを踏まえての対応ではあるが、「文理」を分ける必要があるのかという大きな「問い」と向き合い、新たな学びを県とすべき段階にきていることは間違いない。これまでの先入観を崩しつつ、10年後、20年後の未来を想像しながら、必要な教育に取り組んでいきたい。
話を戻すと、本校の理数科は、現在、1年生に23名、2年生に31名、3年生に31名の計85名の女子が所属している。その割合は、なんと、前述の英・伊・韓・豪4か国を大きく上回る36%!東高校の「リケジョ」の活躍が楽しみである。男子も負けじと頑張れ、東高生!
「リケジョ」だと わざわざ名乗る ほどでなし