校長日記其の四百六十二~パロディ、侮ることなかれ~
先の文化祭でも、舞台のタイトルや展示のタイトルとして、著作権の関係で、誰もが知っているストーリーや番組のタイトルをもじったものがつけられていたが、それもまたわかりやすくてよいものだと思っている。
いわゆるパロディというやつだが、ノーベル賞のパロディ版とも言われる「イグ・ノーベル賞」なる賞がアメリカにある。人々を笑わせ、深く考えさせる研究に贈られる賞で、1991年に創設されたので、もうかれこれ30年近く経つ。そこで驚くのが、なんと日本の研究者が今回まで16年連続で受賞したということ。
今回「工学賞」を受賞した研究については、人間がドアノブなどの円柱形のつまみを回す際の「最も効率的な指の使い方の解明に挑戦したこと」が評価されたとのこと。ここで、注目すべきは「解明した」のではなく、「解明に挑戦した」こと。「解明した」ら、その貢献度によっては、ノーベル賞ものだが、この「挑戦した」ことが評価されるのが、イグ(否定の意)のイグたる所以。実に面白い。
その「指の使い方」について、直径0.7~1.3cmのつまみを32人に回してもらった結果、使う指の数を調べると、直径1cm未満のつまみは2本指、1~1.1cmは2本か3本、2.3~2.6cmは3本か4本、4.5~5cmは4本か5本、9㎝以上はほぼ全員が5本指で回したという。受賞者の方は、「デザインの分野では多くの研究者が人間の無意識の行動を研究している。自分はデザイナーで、たくさんのデザイナーがこの賞を受賞することを願っている」と述べた。巷にあふれる奇抜なデザインやついつい頷けるデザインを見ると、このような地道な研究が生かされていることを実感する。
今、本校で進めている「探究」にも、そんな可能性を感じる今日この頃である。
?と思う 探し究めて !と感ず
疑問は果てしなく、東高生!