校長日記其の四百六十九~定期考査ありき?~
本日から、2学期中間考査が始まった。登校時には、単語帳やノート片手に来る生徒も多い。勉強疲れという感じもなく、元気に挨拶してくれる生徒も多かったので、ほっとする。が、数名に「しっかり勉強したか?」と聞くと、3人に1人は「あまり...」との答え。「それでもテストはやってくる。頑張れ!」と声を変えると、「はい!!」と返事だけは良い。若さの賜物。期待している。
当たり前のように実施している定期考査だが、近頃、その意義について議論されることも多い。思うに、学んだことがどれだけ身についているかを自分で確認すること、そして、自分が今から何を頑張ればよいのかを考えるための機会とするという点では大いに意義がある。が、単に教師側の評価のためであるというなら、その価値は半減する。
今年度入学生からは、新学習指導要領に基づき、観点別学習状況の評価がなされている。考え方としては、例えば定期考査の1点の差を殊更細かく、また重きを置いて評価するのではなく、生徒が、年間を通じて、その科目に関して、どれだけの「知識や技術」を身につけ、どれだけ「思考(頭を悩ませ)」し、その末に自分でどう「判断」し、どう「表現」しているか、そのためにどれだけ「主体的に取り組んで」いるのかを評価するということである。
雑駁な説明になったが、この『評価』においては、理論的には、これまでのようなテストの「1点に泣く」ケースは減ることになる。しかしながら、大学入試においては、総合型選抜等はさておき、一般入試においては、やはり「1点に泣く」ケースが出てくる。ここが、高校教師の腑に落ちぬところであり、悩みどころである。一方で、主体的に取り組めば取り組むほど、知識は身につき、ペーパーテストの得点も上がるはずなので、杞憂に終わる可能性もある。
いずれにしても、制度を動かすのは人間。後ろ向きは海老やアリジゴクに任せておいて、人間は前向きに歩くべき。本校では、この『観点別学習状況の評価』について、教科担当者会議を開催し、共通理解を図るとともに、現状を情報共有し、より効果的な実施に向けて取り組んでいる。生徒の学習改善と、教員の指導改善・指導力向上のため、生産的に取り組んでいく。
ペーパーの 点差忘るる 主体性
とにかく、今は目の前の壁に向かって突き進め、東高生!