校長日記其の四百八十五〜何事もほどほどに〜
韓国でハロウィンで集まった人たちが154名(本日朝の時点)もなくなったという。亡くなった方々にはご冥福をお祈りすることしかできないが、日本でも、数日前から「渋ハロ」の話題で盛り上がっている。このニュースを聞いてどれぐらいの人が我が事としてとらえるだろうか。
ご存知のように、「ハロウィン」は、11月1日にキリスト教の諸聖人に祈りを捧げる祝日「諸聖人の日」「万聖節」(All Hallo)の前夜祭(All Hallo Eve)という意味で、ヨーロッパ発祥のお祭りで、秋の収穫をお祝いし、先祖の霊をお迎えするとともに悪霊を追い払うお祭りだということである。
皆がこぞってする仮装も、ハロウィンになると先祖の霊と一緒に悪霊や魔女もやってきて、人間たちに災いをもたらしたり、いたずらをするとされたため、身を守るために悪霊や魔女の恰好をして仲間に見せかけたのが始まりとの説がある。
私は文化学者でも民俗学者でもないので、チンパンジ...もとい、一般人として一言言わせてもらうと、クリスマスに代表されるように、イベント好きな(または商魂たくましい)日本人が、これ幸いと、皆が楽しめるイベントをプロパガンダし、それにこれ幸いと皆が乗ったに過ぎず、『変身できる』というプラスアルファの要素も加わって、本来の由来を知らずに楽しんでいる人はたくさんいる。
こう書くと、頭から否定していると思われるかもしれないが、イベント好きな私は、実は肯定派である(かといって仮装はしないが...)。仕事や勉強により、日頃ストレスなく過ごしている人はいないし、最近なにか不幸があった人もいるかもしれない、ただ、ストレスを抱えているからといって、周りに当たられても困るし、不幸があったからといって周りの人に悲しみを強要することもいけない。結局は、何があっても明るくポジティブに生きる方が正解であると思っている。
そういう意味で、クリスマスにしてもハロウィンにしても、コスプレをしたければしていいし、騒ぎたければ騒げばいい。ただし、ストレスや不幸を強要できないのと同じで、自分勝手なテンションを引っさげて「お前も楽しめ」というのはお門違いである。要は、楽しめる人と楽しい時間を共有すればそれでいい。話が長くなったが、大勢で楽しむには、やはり「ほどほど」が大切である。いくら盛り上がっても、トラックをひっくり返してはいけないし、道頓堀川に飛び込めば命を落とすこともある。
学校においても、体育大会や文化祭、各宿泊行事等があるが、私の見る限り、「ほどほど」が大切であるということは、東高生が一番よくわかっている。冷静と情熱の間をうまく生きよ、東高生!
イベントは 最大公約 数の粋