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校長日記其の四百九十一〜若葉vs紅葉〜

 今朝の京橋門。8時25分の予鈴が鳴り終わり、最後の生徒が門をくぐったのを確認する。いつものように正門に向かおうとすると、2名の女子生徒が並んでいる木々を品定め?している。「何してる?ホームルームに遅れるぞ!」と声をかけると、「赤い葉っぱを探しているんです。あの葉っぱがいいんですが届かなくて...」と、背の低い私に取ってくださいと言わんばかりにお目当ての赤い葉を指で差す。すると、その声を聞いた管理作業員の方が、「よし、手伝ってやろう。」と、いつもの優しさで、ほうきの柄で枝を手繰り寄せてくれた。二人は、早速葉っぱを1枚ずつ取る。「何に使うんや?」と聞くと、「今日の生物の授業でいるんです...あ、校長先生も一緒じゃないですか!?」と思い出したように叫ぶ。

 そういえば、今日は生物の授業を見学する予定だ。また実験でもするのか、と思っていたら、生徒が「それなら、先生も葉っぱいりますよね」というので、私も、「そうやな、私も赤い葉っぱ探すわ。君らは早よ行き。」と促しつつ、慌てて探す。結果、私も3枚の赤い葉を手に入れた。

 さて、その4時間目。生物の実験テーマは「光合成色素の分析」。ペーパークロマトグラフィーによって葉っぱの色素を分析する。「赤い葉っぱ」だけかと思ったら、生徒は皆、若々しい緑の葉っぱも準備していた...。実験は、写真の通り、ハサミで葉っぱを細かく切り、シリカゲルと抽出液を足してゴリゴリとすりつぶす。そのすりつぶした液体を極細のスポイト(名はいかに?)で、長めのろ紙の原点に垂らす。これまた試験管に入った秘密の液体にろ紙の先をつけ、葉っぱの色素が含まれた液体の広がりをしばし眺める。実験の目的は、色素の広がりの様子を確認し、色素の違いを分析するというもの。

 広がりを待つ時間も無駄にしない。緑の若葉と紅葉のそれぞれをすりつぶした液体に紫外線を当てると、若葉は光るが紅葉は光らない。こはいかに。と、これまでの学習をヒントに考えよ、と担当教員が言う。あーでもない、こーでもないと、生徒が議論している隙に、担当教員が私にこそっと正解を伝える。なるほど、とこそっとうなずきつつ、生徒には「これまでの学習を思い出せ」と偉そうに言ったところでチャイムが鳴った。あぁ実験、いと楽し。

  紅葉と 若葉との差に 人を見る

 今年度から、新学習指導要領が施行された。「社会に開かれた教育課程」が一つのキーワード。学んだことを社会でどう生かすかが大切になる。まさに実験は実生活に通じる。頑張れ、東高生!

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