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校長日記其の五百三~師走に馳せる~

 今年もいよいよ「師走」となった。「師(僧侶)が忙しくなり、走り回る」との由来から「師走」...というのが一般的だが、なぜ忙しくなるかというと、一年の終わりにその年の罪を懺悔するための法要があちこちであるからだという。同様に「師が東西を馳せる」も意で「師馳す」との説、「年が果てる」意味の「年果つ(としはつ)」が変化したとする説もあるらしい。言葉だけでも面白い。

 罪まではなくても、失敗や謝罪なら山ほどある。いや、謝罪するなら、やはりそれも罪か。自分では一生懸命やっているつもりでも、相手の意にそぐわなかったり、結果的に上手く行かなかったり、...言い訳はいくらでも思いつくが、言っても時は戻らない。除夜の鐘を聴きながら、百八では足りないなと頭を垂れるしかない。

 その12月は「師走」の他にも、年の終わりの意を含む「極月」や「除月」という呼び名がある。一方で、「梅初月」や「春待月」など、新しい年、新春に期待する意の呼び名もある。どちらがしっくりくるかは、人の性格にもよる。今の気分としては、後者か。

 東高校は、明日から期末考査に入る。これまで学習した成果をまた試すとき。3年生は大学受験との両にらみで、それこそ師走以上に忙しい。朝の生徒は、私の「勉強してるか?」の問に、すかさず「当然やってますよ!」と気持ちのいい返事。「何科目あるんや?」と聞くと、「3科目です」。「ん?そんなはずないやろ?」と言うと、「あぁ、期末のことですか?入試のことやと思いました」と完全に受験モード。それだけ必死にやっているのだと納得した。期末と入試の二刀流はつらいが、どちらも全力を尽くして「師走」を乗り切れ、東高生!

  二兎を得む ペン走らせる 師走かな