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校長日記其の五百九~視野広くして、己を見つめる~

 昨日、台湾留学センターのサポートのもと、台湾6大学(國立台南大學・開南大學・樹徳科技大學・元智大學・銘傳大學・中華大學)と、大阪府立6高校(旭高校・和泉高校・箕面高校・東高校・いちりつ高校・芦間高校)との連携協定を結ぶ調印式が行われた。

 この6校は、国際系の学科を設置する高等学校で、すでに毎年海外大学へ進学している生徒が複数名いる学校もある。現在は、コロナ禍のため、多くのご家庭で、海外大学への進学を検討する段階にはないが、将来的に海外大学に進学する生徒も増えてくるのではないかと思う。

 ただ、例えば、台湾の大學に進学する日本の生徒にとって特に大事なことは「英語」と「プログラミング」の学習だという。この学習が甘いと、各大學の特長ある学習の効果が十分に得られないという。ご存じの通り、日本では、「プログラミング学習」が導入されたばかりで、海外と比べて最も遅れている部分と言ってもよい。今後、小学校から学んだ生徒たちがどこまでのスキルを身につけるかに期待するが、一方で、それを教える側の人材不足も課題とされている。

 海外大学ばかりか、コロナ発生以降、生徒も保護者の方も地元志向が強くなり、地方国公立大学や関東私立大学への進学も選択肢から外されている傾向がある。確かに、関西にも個性的な大学がたくさんあり、人気を博しているが、まずは一度広い視野で全国の大学を見るのも大切だ。1年生の探究学習で、「大学OMOSHIRO調べ」を行ったが、そういう機会を得ながら、より自分の生き方に合った大学選びができれば良い。

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 今朝会話した生徒二人は、校舎までの道のり、自身の受験の現状について、「私たちは、公募に間に合わすのが大変なので、2月、3月の一般入試を選ぶしかなかったんです。他の子たちは指定校や公募ですでに進路が決定しているし、実は今、モチベーションが下がってます。」と、うつむきながら語ってくれた。また、「2月で決まればいいけど、3月までとなると大変過ぎます。」と言う。「気持ちはわかるけど、あとたった3か月やから、粘り強く頑張りや。」と言うと、「終わってみればあっという間というのもわかってるんですけど、今は一日一日が長くて...。」と、客観的な視点を持ちつつも、やはり相当心の負担は大きい様子。「君らにとってはそうやな。でも、やっぱり自分の人生やから、周りは気にせず、自分の人生のために頑張れ。」の声に、「そうですね。自分のことなので、頑張ります。ありがとうございます。」と、元気な返事とまではいかなかったが、何とかモチベーションが高まればと願う。

 「大学受験」は、私たち大人には通過点に過ぎないが、当の3年生にとっては、実に繊細で、複雑な心の動きを生じさせる。一人で立ち向かうのは思っている以上に大変だ。周りには友人も先生もいるし、応援してくれる家族もいる。しんどい時は遠慮なく話しながら、みんなで乗り切ろう!ここが正念場、東高生!

  寒さ染む 会話も何気に 絞る朝 葉落ちの枝に 新芽待ちつつ

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