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校長日記其の五百四十一〜福はうち、鬼もうち〜

 本日は節分。誰が言ったか、恵方巻。今年の恵方は南南東。一本黙って丸かぶり。コロナ禍でできなくなったことが増えた中で、「黙食」が歓迎されるのは皮肉だが、ありがたい。

 節分といえば、「鬼」。福知山には『鬼の交流博物館』があって、日本の鬼のお面や人形などのほか、世界の鬼も展示されている。何より外観、博物館自体が角のある鬼の形をしている。鬼の顔一つを比べても、その国や地方の見え方が違って面白い。例年、2月2日を「鬼(02)の日」として、イベントを開催しているようだ。

 「鬼」の正体は、人間自身の心の化身だとも言う。「福は内、鬼は外」と、当たり前のように豆まきをしていたが、一時期、毎日生徒を叱るばかりのことがあった。鏡を見ながら、実は鬼は己ではないかと思ったこともあったが、やはり人間、仏も鬼も持ち合わせてこそと思い直した。

 今は、年のせいか、役職のせいか、生徒を叱るよりも褒めることの方が明らかに増えた。本校の生徒たちの振る舞いのおかげでもあるが、やはりちょいちょい叱らねば...と思うこともある。何を教えて、何を気づかせるべきか、叱るタイミング、褒めるタイミングを逃さず、生徒を指導することが大切。季節の変わり目である「節分」を機に、あらためて「鬼」の必要性を見直したい。褒めて育てよ、とは言うけれど、叱るべき時に叱れない大人ほど情けないものはない。

  鬼となり わかってくれよと 目に涙