校長日記其の五百四十三~「探究」を柱に~
1年生では、「探究学習」の一環として、自分たちの興味・関心に沿ったテーマやそれに関するキーワードに合う「先行研究」を読んでいる。2年生における本格的な「探究活動」に向けての情報収集でのためであることはもちろんだが、論文の形を身につける取組でもある。1年生では「論理コミュニケーション(通称『論コミ』)」という論文作成のための仕組みや作法などの『かたち』を学びつつ、『中身』の質を高める取組を行っているが、それなしでは、主張と根拠、根拠となる事実とそうでない事実といった仕分けができないまま進んでしまう。
一方で、独りよがりの研究とならないためにも、先行研究を読むことは必然、自分たちが疑問に思うことは当然誰かが疑問に思っている。それら過去の研究を知ることで、より自分たちの疑問を焦点化できるし、研究の目的が明確になる。おまけに、読書量も増えるという、一石二鳥の取組。
と、固い話になったが、何よりも「先行研究」を読んで、自分たちが面白いと思わなければ、そのテーマでの研究が進むはずがない。その研究自体、論文自体の面白さを伝えることも研究に取り組むための大きな要素だ。そのために、「ビブリオバトル」として、各班がその論文、研究の面白さを伝える形で発表するコンペを行った。発表資料(パワーポイント)の作成時間が少なかったため、多くの班は文字だけであったが、中には、ポイントで映像や写真を使うなど、プレゼンとして完成されたものもあった。来週は、各グループから選ばれた優秀班が改めて「バトる」。
論文の「硬さ」を上手く消し去り、聞いている人を読みたい気持ちにさせる。そんなビブリオバトルだった。来週も楽しみだ。
論文の 肝を知ったり 舌を巻く
2年生での「探究活動」にも期待する。頑張れ、東高生!