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校長日記其の五百六十三〜もう一つの「二刀流」〜

 野球経験者として、「球春到来」と聞くとワクワクする。「球春」という言葉の歴史はそれほど古くはなく、A新聞調べでは、M新聞で初めて使用されたのが1952年、その後、A新聞で初めて使用されたのが1973年というから、1965年生まれの私には、すでに聞き慣れた言葉として納得する。その「球春」は、多くはプロ野球のキャンプやオープン戦の開始、高校野球の選抜大会の開始を知らせるが、今年はWBCが一足早く日本を沸かせている。...と、この話題は書かないと言ったではないかとご指摘を受けそうだが、何事にもアンチはつきもの、批判も肥やしとしたい(開き直ってどうする)。
 話題は確かにWBCに違いないが、テーマは「二刀流」。といっても、大谷選手ではなく、私の思いは、世界大会の楽しさと異文化理解にある。ご存知の通り、アメリカ、日本と違い、基本カナダでは野球よりアイスホッケー、ヨーロッパでは野球よりサッカーがそれぞれの国の主流。
 その中で、特に注目はチェコの選手。ほとんどが学生か他の職業に就いているという。学生はともかく、会社の営業マンや電気技師、教師に消防士、不動産業となれば、大谷選手の二刀流を超える正真正銘の二刀流。「二足のわらじを履いている」とも言うが、そんな人たちの集まりでも世界大会で一勝するのだから大したものだ。異文化理解を実感するとともに、心から祝福し、敬意を表したい。

 仕事は仕事として、好きなことで世界の舞台に立てるって素晴らしい。高校生には、想定外の才能があるかも...自分の潜在能力を探ろう、東高生!

  天はあれ? 二物与えて いとおかし

 また別に注目すべきことが起きた。個人的に、若い人にはわからないと思うが、日本の準々決勝の対戦相手イタリアの監督が、日本選手の大リーグの先駆けとなったドジャース野茂英雄投手と、当時バッテリーを組んでいた、あのマイク・ピアッツア選手だという。野茂選手がノーヒットノーランを達成した際の二人の姿が印象に残っている私としては、何と縁のある大会になったのだろうかと感慨深い。