最新情報・お知らせ

校長日記其の五百七十二〜思い込み恐るべし〜

 思い込みというのは、してもされても恐い。
 今回のWBCの盛り上がり効果の一つとして、大リーグ選手の名前を少なからず覚えた方も多いと思う。決勝戦の日本戦でもヒットを放った、アメリカのフィラデルフィア・フィリーズのリアルミュート捕手が、昨日の試合で主審から理不尽な退場を受けたとして話題になっている

 動画で確認すると、
①リアルミュート選手が、新しいボールをくださいという意図で、前を向いたまま、後ろにいる主審にキャッチャーミットを差し出す。
②気づいた主審が、ボールをポケットから出そうとする。
③しかし、リアルミュート捕手は、自分の思うタイミングでボールがミットに置かれないので、主審が投手に直接投げて渡すのだと思いこんだのか、ミットを下げる。

④それがちょうど、主審がボールをミットに置こうと手から離した瞬間にミットを下げたため、見ようによっては、「審判からのボールを拒否した」ように映ってしまった。

 二人を前から見ている私たちには、単なるタイミングのズレであることは明白なのだが、その主審は「せっかくボールを渡そうとしたのに、それを拒否するとは何事か」「審判を侮辱した」ととらえたため、即刻退場を宣告したのである。
 フェアかファールか、アウトかセーフかはビデオ判定をリクエストできるが、こんなケースをリクエストするのもおかしい。双方で話し合えば、あるいは、他の審判がフォローすれば済むことだと思うのだが、主審の思い込みは激しく、取りつく島もなかったようだ。
 何とも馬鹿げた話だが、実はこのような思い込みは日常にたくさん潜んでいる。言葉足らずや確認不足が原因であることが多いが、そもそも人の行動を他人がどうとらえるか、わかろうはずがない
 例えば、道に落ちているお金を拾った人が、いわゆるいかつい見た目であれば、それだけで警察に届けないだろうと勝手に憶測するだろうし、逆に親子だったりすると、確実に届けるだろうと思い込むかもしれない。でも、実際は逆の可能性もある。

 周りの人の理不尽な思い込みの積み重ねで、良い人間に育ったり、逆に道を外したりすることもないとはいえない。話し出したらきりがないが、この日記を読んでいる皆さんはどう思われるだろうか?
 単に目が悪くてよく見ようと目を細めただけなのに、メンチを切っている(言い方が昭和...)ように見えたり、友人と話していて大笑いする瞬間に、前を歩いている人が転んでしまったりと、例には不自由しない。

 何が言いたいかというと、真実は一つだが、それをどう理解するかは人やタイミングによるということ。真実は一つだが、事実は人の数だけあるということ。そう思うだけで救われることもある...かもしれない。思いを巡らし、おもねず生きよう、東高生!

  どうせなら 自信に変われ 思い込み

 ※写真は、昨日の京橋門の桜

20230328_070449 (1).jpg