校長日記其の五百九十一〜入部のススメ〜
「何食べる?」「なんでもええよ」「私も何でもいい」「ほな、中華!」「えー、中華の口じゃない」「何でもええって言うたやん!」・・・とは、よくある男女の会話。
しかし、この「何でもいい」とか「自由に決められる」というのが、実はかえって落とし穴。昨今、規則やルールがさまざまに緩和され、すでに決まっていることより、自分で決められる範囲が広がっている。「自由」・・・それ自体は歓迎すべきことではあるが、実は自由に決められるというのは結構しんどい。
昼食をとろうとファミレスでも食堂でもいいが店に入る。嬉しいことにたくさんのメニューが用意されていて、「あー、何にしよかな、こんなけあったら迷うな。あー、どれにしよ・・・ほな、日替わり定食で!」「はな、僕も!」という光景も日常茶飯事。自分で選ぶということはそれほどエネルギーがいるものなのだ。
振り返って、現在、放課後に、新入生を対象に「部活動見学ツアー」を行っている。先輩が新入生の希望者数名を連れて校内を案内、様々な部活動を見学、各部員に簡単な説明を受けるものである。多くの新入生は、中学時代に所属していた部活動を続けるのか続けないのかというスタートラインから、「ここも面白そうやな」「あ、意外とこっちも楽しそう」「新しいことに挑戦しようかな」と、いろいろな思いを巡らせた末に決定する。もちろん、選択肢は多い方がいいのだが、さきほど述べたように、「何でも(どれでも)どうぞ」とか、「こんなんあります、あんなんあります」と、たくさんのメニューから「自分で選ぶ」というのは、エネルギーがいる。そうこうしているうちに、勉強の方に不安を感じてしまい、部活どうしよっかな・・・になり、結果、最初の思いとは別の方向に心が動くことがある。ゆえに、できれば、早めの入部をお勧めする。
とはいえ、これはあくまでも一つの事例。一方で、先輩たちの中には、学校行事のどの場面にでも登場する生徒もいる。複数の部活を"兼部"しているからだが、そのエネルギーこそ"若さ"の象徴。後先考えず(と言っては失礼だが、)やりたいことは全部やる、という姿勢が素晴らしい。私の見る限り、それでいっぱいいっぱいになっている様子もなく、いつ見ても『充実の笑顔』だ。これぞ『青春』。3年間を自分のものにするために、できる範囲で見習ってやったらどうや?東高1年生!
ある時は 奏者なりにし ある時は 演者なりてや 東の雄なる
さて、本日は学年単位での遠足。1・2年生は、ともに京都だが、1年生は清水へ、2年生は嵐山へ。春の京都を満喫しただろうか。3年生は河内長野の城山オレンヂ園でバーベキュー。あいにくの雨模様だが、旅も遠足も大切なのは誰と行くか。新しいクラスで親睦を深めてくれれば大成功。明日の学校に、また期待する。