校長日記其の六百五十三〜寄り添うということ〜
昨日、台風による被害は聞いていない、と日記に書いたが、本日、2件被害の報告があった。一つは、長年プールに設置されている日除けの屋根(ナイロンかビニールか)が風で飛ばされたもの。もう一つは、これも日除けで、テニスコートに設置してあるもの。これまで様々な台風が来ても被害がなかったことを考えると、今回の台風は瞬間的かもしれないが、意外と激しかったのだろう。
本日は、本校グラウンドで、野球部が、旧市立大会を引き継いだ自主大会を実施。大阪市立では、20数年前まで、10月の第一土曜日に全校が長居第二競技場に集まり、盛大に開会式を開催、陸上競技を始め、運動部の大会を全校で観戦していた。全校というのは、言葉通り全校生徒が一堂に会するわけで、秋の一大イベントであった。大会の趣旨としては、大阪市の高校全体で一体となって盛り上がろうというものだったのだろうが、出場する部員と一般生徒の温度差はやはり詰められず、公式大会としては令和3年度まで続いたが、実質的に各部活動主体の運営、表彰となった。
自身が関わった野球に限ると、実にアットホームで、生徒に寄り添った大会だった(だから、顧問の先生方のそういう気持ちで現在も続いているのだ)。旧大阪市立は、体育科のある学校や工業系の学校、商業系の学校、はたまた芸術系の学校や中高一貫校など、バラエティに富んでいる。部員の集まる学校もあれば、9人揃わない学校もある。結果的に、強豪チームもあれば、弱小チームや公式戦に出場できないチームもある。そんな状況を察して、部員の少ないチームには3年生の出場を認めたり、合同チームを認めたりして、何とか部員の出場機会を、という温かい配慮がなされていた。
また、そのようなチームの強弱を抜きにして、単にトーナメントを行うだけでなく、各学校から最低1名の選手を推薦し、北チーム・南チームに分かれて、決勝戦の後に「オールスター戦」も開催した。普段、公式戦では結果が出ないチームの代表選手が活躍する姿に球場全体が喝采する様子は、他ではなかなか見られない涙ちょちょ切れるものだ。
そんなアットホームな大会が続いていることは、本当に嬉しい。今日の東高校の対戦相手は、桜和高校、西高校、南高校、東淀工業高校の合同チーム。試合は本校が勝利したが、様々なデザインのユニフォームが躍動する変わらぬ様子に、安心感とノスタルジー、そして、そんな生徒たちに直接関われるというちょっとした羨ましさを感じた。...といっても、実は、大会委員長は、この私。内心、東高校の生徒に賞状を渡すことを楽しみにしている。頑張れ、東高生!
チームにも いろんなカタチが あって良き