校長日記其の六百五十六~校長同士、熱く語る~
昨日21日(月)と本日、近畿地区高等学校長協会連絡協議会が、大阪プリムローズ大阪にて開催された。近畿2府4県の高等学校の校長が集まり、共通する課題について情報交換し、研究協議する会である。ここ3年はコロナ禍のため、書類で情報交換するしかなかったが、今年1月の前回は、オンラインと集合のハイブリッド形式で実施された。幸か不幸か今年度は大阪府が幹事。副会長の私も資料担当として、冊子の作成や準備に関わった。総勢200名を超える校長先生にご参加いただき、想像以上に盛況であった。
研究協議のテーマは、「学校の魅力化」「働き方改革」「生徒指導提要改訂を踏まえた生徒指導」の3つ。どれをとっても外れのないテーマであるが、いざ協議が始まると、学校によっても現状はさまざまで、捉え方も大きく異なる。少子化により、どこの学校でも定員割れが大きな課題であり、魅力化に頭を悩ませている。そのような他校の悩みを聞くと、東高校の志願数の増加はあまり大きな声では言いづらい。3学科の特色ある教育活動や宿泊行事、専門性の高い学習や高大連携や外部での発表会など、授業以外のイベントも多い。学校行事も生徒たちの完全燃焼する姿勢がみられるし、何かと活気がある。とはいえ、校長としては情けなく悔しいが、実際は挨拶できない生徒もいるし、服装の乱れが顕著な生徒もいる。学校全体として落ち着いてはいるが、まだまだ放っておけない学校である。
「働き方改革」は、一番の悩みの種。時間外勤務を減らすことが目に見える仕事であるが、今このようになっているのも、そもそも教師の仕事の範囲の線引きがあいまいであること(特に、何をしてもきりがないという点)や、能力も経験値も異なる教員をひとまとめに考えることにも無理がある。今朝も7時半頃の職員室は、私も含め、昭和の人間ばかり。あと数年経てば、8時過ぎまで職員室には誰もいないのだろうなと想像する。それでも仕事が回ればよいし、「教育」できればよいのだが、おそらく7時に来る生徒はなくならないだろうと考える。
「生徒指導」についても、一昔前のような大きな声で怒鳴る先生もいないし、どんな問題を起こそうが、まずは許容し、話を聞くところから始まる。いわゆる理不尽は受け付けない。えてして世の中には理不尽なことが多いが、理不尽なき人生を歩んできた人間がどこまで通用するのかは、私も未知の世界。押し寄せる理不尽を上手くかわしつつ、時にはぶつかりながら、何とか「適応」してきた自負はあるが、免疫のない人間が、とにかく理不尽に出会うことなく、爽やかに成長することを願う。
しかし、どの校長先生も喋り出したら止まらない。個性あふれる顔ぶれに持論を訴えあい、あっという間に協議時間が終了。それぞれの学校の特色や課題を共有して、少しでも自校で生かそうとギラギラしていて、大きな刺激になった。参考にするとともに、時代の変化にうまく対応し、一つ先を読むことを心がけていきたい。次の100年に向けて、東高校の存在価値と新しい価値観を創造できればと強く思う。未来の東高生に会うのが楽しみである。
生徒らの 心をつかむ 意外性