校長日記其の六百六十四~逆転の醍醐味~
1次ラウンドのフィンランド戦に続き、ベネズエラ戦も逆転勝利した日本男子バスケットボールチーム。世界ランキング24位のフィンランドに勝るベネズエラ(17位)ゆえ、第3クォーター終了時53対62の9点差、第4Q途中での最大15点差をまさかひっくり返すとは漫画の世界。バスケットには縁のない私でさえワクワクする。次のカボベルテ戦に勝って、ぜひパリ五輪出場を決めてほしい。
勝利を生み出した理由の一つは、(甲子園ではK高校の応援が物議を醸したが)「応援のチカラ」。大活躍のベテラン比江島選手が、試合後のインタビューでの「沖縄でやってなかったら勝てていなかった。みんなの声援が背中を押してくれた」という言葉に、地元日本での開催、その応援のチカラを強く感じた。高校においても、日頃から「周りに応援されるような部活動になってほしい」と思っている。部活動顧問の前だけ「いい子ちゃん」になっても、普段、挨拶もしなかったり、ええ加減な態度では誰も応援してくれない。
もう一つは、「諦めないこと」。これも試合後のインタビューで、トム・ホーバス監督が「本当にこの選手たちはギブアップしないじゃないですか。この試合は大変だったけど、もうすごいです。」と語ったように、最後の最後まで諦めない気持ちというのは本当に簡単ではないが、大事なことだと感じた。一方で、押さえておきたいのは、諦めなければ必ず勝てるかというとそうではない。その気持ちで「すべてがうまく行けば」である。だから「負けたのは、諦めてしまったからだ」という単純な発想ではない(実際は、そういうシーンもあるが)。スポーツに限らず、「諦めない気持ち」は皆持っているのだが、その中でどうしたら勝てるか、それを実現する行動ができてこそ勝つ可能性が高まる。素人の私が言うのも何だが、バスケットというスポーツは、5秒あれば点が取れる。2分あれば、十分に逆転可能。プロなら当然の冷静さもあっての決してサプライズではない2勝だとあらためて感じる。
加えて感じたのは、「ゲーム性」で、3ポイントシュートがあるということ。普通のシュートが2点で、フリースローが1点と、リスクの高さによって点数が変わるというのが逆転の可能性を感じる。ラグビーも同じで、トライが5点、その後のキックが2点、プレー中のキックが3点と決まる可能性に応じた点数が決められている。野球では、同じホームランでもランナーが何人いるかで点数が変わる。となると、個人的には、卓球やテニス、バドミントンやサッカーはすべて1点でもいいが、バレーボールのバックアタックは2点でもいいのではないかと思ってしまう。とにかくゲームは逆転の可能性、醍醐味がある方が楽しい。
今年は、春からWBCになでしこ、陸上、バスケットと日本の活躍が続いている。このバスケットの躍進がまたラグビーのW杯に繋がる予感・・・。なんとなくコロナが居座る世の中で、少しでもワクワクが増えると良いな。・・・ということで、今回のバスケットボールW杯で、あらためて感じたことを徒然に書いてみた。
さて、東高生よ、来週は文化祭ウィーク。3年生は勉強と両立しながら、最後の学校行事を楽しんでほしい。100周年の「E-Fes文化の部」のテーマは『We Love 100祭!〜1世紀分の東魂を込めて〜』生徒たちの熱い魂を感じる。行事も受験も、何があっても『逆転』の精神で臨んでほしい。頑張れ、東高生!
猛暑日に 秋の逆転 期待する
なお、本日は「防災の日」ということで、『大阪880万人訓練』を構内でも実施。13時30分の地震から津波発生を仮定し、グランドに避難した後、3階以上に避難した。1923年の関東大震災から今年で100年。東高校創立と同年ということもあり、より災害の恐ろしさを感じてくれればよい。地震といえど、実際の被害は、地震そのものより自身によって起こる火災によるものがほとんど。揺れが収まったと安心してはいけない。まずは「自分の身は自分で守る」という意識を持つこと。しっかりと周りと声を掛け合うこと。普段からしっかり意識しよう。 本日は、PTA実行委員会を開催していたため、参加された保護者の方々も避難訓練にご協力いただいた(ありがとうございました)が、避難する生徒の様子はどう映ったか。私は、持ち前の予知能力を発揮し、地震が発生する時刻の前に、出張のため学校から逃げた。訓練とは言え、自分一人だけ逃げるのは少し後ろめたかった・・・。