校長日記其の六百八十九~東の伝説~
今年100周年を迎える東高校には、比較的緑が多い。正門入って正面にある大きなクスノキとその土台にはツツジ。左手にあるのは2本の大きなサクラ。中庭に向かうとアジサイや〇〇に〇〇...(風流なきこと恥ずかしき...)。グラウンドに沿って並ぶイチョウの木。京橋門に向かうサクラ並木。そして、自転車置き場に、100周年記念のソメイヨシノの植樹。 理数科の生物班が、虫や植物の研究に事欠かないのもよくわかる。
今日は、そんな校内の植木の話を、管理作業員の方と話す機会があった。すると、東高校の正門のクスノキは、もと大阪市立の学校の中では、一番立派なクスノキとして超有名であったそうだ。校内の植樹や植木の剪定の多くは、市の営繕係の技術者が行うことになっているが、東高校のクスノキは、あまりにも立派なため、失敗は許されないということで、「私らに切らせてくれなかった」そうである。いわば『伝説のクスノキ』といえる。現在は、2年前に"散髪"をして少し寂しい姿になったが、次の100年に向けて枝を伸ばし、立派な姿になってくれるであろう。
その後、植木の話はなかなか尽きず、新たに一つの『トリビア』として教えていただいたのが、体育館とクラブハウスの間にあったケヤキの話。実は、現在、体育館のクラブハウス側のすぐそばに周囲とは少し色の違う真四角のコンクリート部分がある。管理作業員さんの話では、そこに、立派なケヤキが立っていたというのだ。それも、体育館の屋根を超えるほどの高さ、大きさであり、正門のクスノキとともに、大阪市の間では、超有名だったということだ。ケヤキは、杉とは違い、昭和のCMで有名な「この~木なんの木、気になる気になる木~」のモンキーポッドまではいかないが、かなり幅を取る木でもあるので、そんなに大きなケヤキがここにあったらば、さぞ存在感があっただろうし、その日陰で涼をとる生徒もいただろうと想像する。これぞ、まさに『伝説のケヤキ』である。
そんな話を聞いて、赴任3年目の私は非常に寂しい気持ちになったが、これまでの100年の歴史の一端に触れることができたことが嬉しく、とてもありがたかった。100周年記念で植樹したサクラの成長も楽しみだ。
楠も 欅も東の 伝説なり きっと桜も 伝説となる