最新情報・お知らせ

校長日記其の六百九十~無理してナンボ?~

 先の土曜日の朝8時頃、地元の小学校の父親参観だろうか、近所のお父さんが何やら蔓ののびた植木鉢を両手で大事そうに持って、子どもとともに嬉しそうに登校している。休日の朝、実に微笑ましい光景だ。仕事をされているお父さんのために、学校が土曜日の授業参観を企画するのは以前からだが、今は仕事をされているお母さんも増えたので、父親参観というのもおかしい気がする(小学校の実情は知らぬ...)。

 父親参観もそうだが、未だ父親の育児休暇の取得率が低いことから、父親が育児やお出かけなどで子どもと関わる時間はまだまだ少ない。ゆえに、父親として子どもにかっこいいところを見せたい気持から、どうしても頑張ってしまう。今もシーズン真っただ中だが、先日の新聞に、「運動会 父の1割が転倒・負傷経験あり」との記事があった。小学3年生以下の子どもをもつ30~50歳代の父親、約千人に調査したところ、運動会に参加した方が57.0%、そのうち「子どもや配偶者にかっこいいところを見せたい」が25.2%もあったそうだ。気持はわかるが、その結果として、その運動会で転倒や負傷をしたことがある方が11.6%もいたという。その理由が、「想像していたほど身体が動かなかった」(70・0%)というから、笑ってはいけないが笑ってしまう。

 人より運動が好きな方なので、幸い子どもの運動会で負傷したことはないが、まだまだ身体が動いてい(ると思ってい)た40歳代で担任を持った時、スポーツテストの50m走で生徒と一緒に走って左太腿を肉離れしたことがある。まさか自分が...と思ったが、後の祭り。これが肉離れか!と、初めての体験に知的好奇心は満たされたものの、痛いものは痛い。さすがに唾をつけても治らないのでテーピングと気合いで治したが、今でも少し強めの運動をしたときは何となくズクズク(ズキズキではない)する。当時、「センセ、無理せんとー」と、すでに無理した後に生徒に言われたが、「ちゃうねん、先生というのはな、大人というのはな、ちょっと無理してなんぼやねん。お前らも大人になったらわかるわ」と負け惜しみを言ったが、年を取れば取るほど、その言葉が負け惜しみではなく、本心であったと自覚する。今が青春、が、昭和男の合言葉。少々面倒でも、しゃーないなと付き合ぅてくれ、東高生!

  目の前の ゴールが遠い 秋の陣