最新情報・お知らせ

校長日記其の七百三〜つなぐということ〜

 先日来、駅伝について書いているが、実業団女子駅伝で、第1区走者が足の故障により第2区走者に襷をつなげなかった。本戦出場をかけての予選会ということもあり、何気なく見ていた私も、このチームの方々の気持ちを思うと相当なショックだろうと思い、落ち込んでしまった。解説を聞くと、今年入ったルーキーだという。新人でいきなり1区の走者を任されるとはよっぽどの実力があると思うが、相当なプレッシャーだったと思う。昨年度惜しくも本戦出場を逃したこともあり、チームとしても、本人としても期するものがあっただろう。自責の念は消せないかもしれないが、これをまた糧として頑張ってほしいと思う。

 と、現在、駅伝真っ盛り。本日は、東高校陸上競技部が男女ともに「大阪高校駅伝」に出場。日頃から、朝練で走っている姿を見ているので、ぜひ応援したいと思って、長居公園へ。午前が女子、午後が男子ということだが、午後は住之江区の学校説明会。男子には申し訳ない(下の写真で我慢を...。ちなみに大会写真は掲載不可)が、午前のみの応援に。せっかく応援するならと、声も聞こえないかもしれないと、野球場などで観客が持っている応援ボードを作成。黄色い画用紙に選手の名前を書いてみた。ただ、応援といっても、駅伝やマラソンは一か所にいても走者一人につき1回しか応援できない。何とか一人2回以上は応援したいと応援計画を思案した。

 実は私も、毎年正月明けに開催されている全国最大の駅伝(第1部〜第7部まである)「全国実業団駅伝」に、親睦を目的として、勤務校のメンバーで20年近く出場していたので、長居公園の周回道路は熟知している。計画は次の通り。

 ①ヤンマースタジアム内観客席から、まずはスタート時に応援。スタート後、スタジアムを出て周回道路へ。②スタジアムから出てきた第1走者を応援。③通過後すぐに、自転車で第二競技場横を突っ切り、先回りして応援。④通過後、元の道を戻り、先回りして応援。第1走者は2周するので、⑤⑥これをもう一度繰り返す。こうすれば、第1走者は都合6回。第2走者以降も少なくとも2回以上は応援できる。

 いざ、大会がスタートすると、私学の強豪を含む6名が先頭集団。東高校は?と見ると、少し遅れて第2集団約10名の中にいる。その先頭を奪おうかという勢いに感動。「頑張れ!ついていけ!」と声をかける。2周めは少し集団もばらけて、先頭集団は5名、第2集団は少し縦長に。その前の方で頑張っている。「最後まで食らいつけ!」

 第2走者以降、先頭集団以外は、集団形成はなくなり、誰かについていくというよりは個の強い精神力が求められる。「頑張れ、自分のペースで!」「焦るなよ!」「前だけ見ろ!」「まだまだ行ける!」「大丈夫や!」「あと少し!」「行けー、東!」と、必死の部員たちに、勝手な言葉を言う。気持ちだけは伝わってほしいが、適切な言葉であるかは分からぬ。男子部員や女子部員も各所で熱い応援をしていた。実は、最終走者の2年生は、昨日までが修学旅行。疲れもあるだろうが、2周をしっかりと走りきった・・・脱帽。

 学校説明会のため、最終走者がスタジアムに入った後、すぐに住之江区に向かったため、夕方に結果報告を受けた。女子が13位、男子が17位。女子は過去最高順位。男子も6年ぶりの10位台とのこと。目標はもう少し上だったようだが、秒を争う競技で立派な結果だと胸を張ってよい。さらに言えば、結果よりも、もらった襷を肩に感じ、一生懸命前だけを向いて必死に走る姿、ゴール近くでその襷を外し、片手にしっかりと握りしめて走る姿、ゴールで次の走者に無事に襷をつないだときの少しホットした表情に感動した。よー頑張った!拍手、拍手だ、東高生!

  つなぐとは 一本の線かと 得心す

 仕事上、大会運営委員の各校陸上部の顧問にも知り合いがいる。黄色いボードを持って必死に自転車で走る私を見つけて、「先生!」と昔の同僚数名に声をかけられる。「運営も大変やね」と返し、少し会話するが、皆、最後には応援ボードを見て、「先生、相変わらずですねー」と一言。相変わらず...の後の言葉が気にはなるが、相変わらず落ち着きがないことは確かである。

20231028_091830.jpg