校長日記其の七百七〜身体で覚える、手先を使う〜
昨日は、1年生の「書道」と「美術」も見学。「書道」は、「条幅」に書く練習。「条幅」とは、「半切」とも呼ばれ、横34,5cm、縦136cmの半紙(ややこしいな・・・)。机上に広げるとかなり大きい。テキストの見本を見て書くのだが、大切なことは「身体で感じること」で、単なるテキストの模写ではなく、自分の見たものをいろんな書き方で試みること。全く真似てみる、丁寧に書いてみる、一気に書いてみる、柔らかく書いてみるなど、そうすると、自分で気づくこともある。生徒は初心者がほとんどだが、一生懸命集中して書いている。経験者も数人いて、やはり筆の運びが一味違う。とはいえ、初心者であっても、その素直さが書にも現れ、いい感じの字になっている。筆は慣れで、普段から使わなければそうそう上手く書けるものではない。
一方、「美術」は、皮細工。最終的には「定期入れ」として使用できるキットだが、各自、好きな模様を下書きし、皮の上に乗せてカッターで型をつける。下書きをはがして専用の道具で先の外側を押さえてレリーフのように線や図形を浮かび上がらせる。その後、色付け、コーティングして完成する。担当教員が、「先生もどうですか?」と余った皮の切れ端を持ってきてくれたので、喜んで参加する。生徒たちは4時間ほどで完成するようだが、私はこの50分で完成させねばならないので簡単な既製のメープルデザインを選択。急いで取り掛かった。隣では、男子生徒がアンモナイトを掘っている。よく見ると、すごく細かい自作の下書き。こだわりか挑戦か、どちらにしても時間のかかる選択で、一心不乱に作業している。素晴らしい。
担当教員のアドバイスを受けながら、何とか時間内に完成。本のしおりかコースターにでもしようか。やはり、ものづくりは楽しい。自分の感性が確認できるし、上手い下手はともかく達成感がある。何より作品に対して愛着が生まれる。身体で覚えること、手先を自分の思うように使うことは、年齢に関わらず大切だなと思った。今できること、すべての機会を有意義に。頑張れ、東高生!
芸術の 秋とのたまう 正午過ぎ