校長日記其の七百二十五〜YCに寄り添う〜
本日は、府立学校人権教育研究会の校長研修。特にここ4年ぐらい、マスコミ等で取り上げられている「ヤングケアラー」に関する講演会。
「ヤングケアラー」とは、家族の介護や世話をする若者の意だが、実情として家族のことに時間がとられ、本人の学校生活に支障が生じている状況にある児童生徒のこと。家族の世話や手伝いは、ともに生活する者として、当然すべきことかもしれないが、あまりにも本人への負担が大きく、宿題が追いつかなかったり、睡眠不足で遅刻したり、部活動を休まざるを得なかったり、友人と過ごす時間がなかったりと、本来、青春を謳歌すべき時間が極端に減ってしまうことがある。
困ったことに、多くのヤングケアラーは、そのことを「仕方がない」ととらえ、自分の家族や、家族の問題として、人には言えず、助けを求めないことが多い。皮肉なことに、現代の長寿により身体的介護や認知症介護も以前より増えており、昨年の大阪府調査によると、5%以上の生徒がヤングケアラーであることがわかっている。
今日は、現在大学1年生の男子生徒が、自分の小さい頃からの生活環境やしんどかった時のこと、高校時代の担任の先生に救われたことなど、動画で思いを語ってくれた。今は、自分の人生を謳歌している様子も見え、また、パワーポイント資料や説明もわかりやすく、約30分間、しっかりしているなと心に響いた。
その話の中で、やはり、自分で抱え込んで、なかなか人に話せなかったこと、小学生の時に担任の先生と相性が合わず不登校になったこと、一方で、自分を理解してくれた別の担任の先生のおかげで今があると聞いて、教師との巡り合わせが人の人生を良くも悪くも左右することを再認識した。そして、生徒の様子を表面だけで判断するのではなく、その背景に何があるのか思いを巡らせ、可能な限り、生徒と丁寧に会話し、生徒の心に寄り添っていくことが大切だと感じた。
「助けてほしいとは思わない。ただ、わかってほしかった。」
これは、多くの「ヤングケアラー」の言葉である。本校生で悩んでいる人がいたら、誰でもいいから話しやすい先生に相談してくれればと思う。家族を助けることは大事だが、一人で背負うことはない。自分の人生をしっかり歩めるならば遠慮はいらない、東高生!
今日明日を 自分時間と して過ごす
昔と違って、今はいろいろな「つながり」があります。困っていたら、「大阪市YCピアサポ」または「ふうせんの会」「中高生オンラインサロン」で検索してください。