校長日記番外編〜台湾熱烈研修その５ー調印式②ー
昨日に引き続き、本日も姉妹校提携の調印式。瑞祥と同様、９年来交流を続けている「前鎮高級中学」との調印式。･･･っと、その前に、現地台湾の新聞２紙とYahoo!新聞に、昨日の瑞祥高級中学との姉妹校連携調印式の様子が掲載された。また小港高級中学との交流セレモニーが高雄市政府教育局（教育委員会）のホームページに掲載されたので、ぜひご覧ください。
※新聞記事①https://www.youngnews3631.com/news_detail.php?NewsID=6166
※新聞記事②https://www.taidaily.com/2023/consumption/485979/
※高雄市政府教育局HPhttps://www.kh.edu.tw/publicInfo/bureauReport/20230550
さて、朝９時半開始と聞いていたので８時半頃学校に到着したが、着くなり車に乗せられ、「調印式の前に連れていきたい場所がある」という。しばらくして到着したのは「保安堂」というお寺。車を降りて、門に向かうと、門のすぐ右手に、故安倍晋三元首相の銅像がある。親台家で知られていたが、こんなところに銅像が建てられているとは、やはり大物（お前が言うな）。
その安倍元首相とも縁は深いが、実は、このお寺が建てられた理由には、別の日本人が大きく関わっている。その日本人は、1944年11月25日に台湾沖でアメリカ潜水艦に撃沈された、「《蓬（よもぎ）》第38号哨戒艇」の艦長、高田文男大尉。現在、この保安堂で、「海府大元帥」、紙として祀られている。
終戦後、一つの頭蓋骨が漁網にかかったが、誰の骨かなどわからぬ。ところが、ある時、台湾に住む日本人女性の枕元に一人の軍人が現れ、「私は第38号艇の艦長である。海で亡くなった者たちを弔ってほしい」とその女性に訴えたという。その後、長い年月を経て、インターネットで第38号艇の資料が見つかる。調べると、その第38号哨戒艇「蓬」は現実に存在した軍艦であり、艦長は熊本県出身の高田文男大尉であることが判明した。
そのお告げのお陰で、船員145名全員を弔うため、高田文男大尉を「海府大元帥」として祀ったのである。なんとも信じられない逸話であるが、間違いなく真実。調べると「蓬（よもぎ）」の花言葉は「平和」「幸福」。年末でもあり、少しでも「平和」と「幸福」を祈る。
ということで、前鎮の校長先生は、今日の調印式前の鎮祭の一環として、我々の関係が長く続くように、一緒に保安堂へお参りしたかったようだ。それだけこの姉妹校提携に強い想いをもっていただいているということ。謝謝！
前鎮高級中学は、生徒は約1500名。いわゆる進学校で、正門の横には、真っ赤な掲示板に有名大学への進学者の名前が記載されている。さすがに、名前（３文字）の真ん中の字だけ◯として名前が特定されないようにしてはいるが、それだけ優秀な生徒をオープンにすることで士気を高めている。ちょうど昼休みに玄関の広い場所で生徒40名ほどが集合し、今から体操か何かするのかと思っていたら、優秀生徒の表彰だという。運動会で仲良く手をつないでゴールする日本とは大違いである。
調印式は、前鎮の関係の先生方、本校関係者と今回一生懸命通訳を努めていただいている他校の先生、ASEPに長年関わってこられた他府県の高大の先生方など、皆様に見守られつつ、滞りなく終了した。東高生も、歴史的な場に立ち会い、それぞれで刺激を受けたようだ。今後、この関係がさらに深い絆として長く続くことを望む。創立100周年の記念すべき年でもあり、今後の100年も生徒たちが積極的に参加できるようサポートが必要だ。チーム東高校として取り組んで行きたい。知れる世界で生きるより知らない世界に触れることで、自分の知らない自分に気づく。殻を破ろう、東高生！
人間って 思っているより 強いかも
※写真１枚めは「保安堂」
