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校長日記其の七百四十二〜少しでも福を!〜

 元旦から災害、事故が続き、気分的に「明けましておめでとうございます」という言葉が憚れる令和6年。それでも、かろうじてコロナ禍が「明けまして・・・」というプラスの空気を拾う。

 えべっさんの総本社、兵庫県の西宮神社で開催される「福男選び」も通常ルールで復活。「十日戎」の昨日の早朝、参拝一番乗りをめざして境内の230メートルを駆け抜けた。見事「一番福」となった大学陸上部の19歳男性。100メートルのベストタイムは11秒29だというが、走るのはトラックではなく、神社の境内。石畳や通称「天秤カーブ」という急なカーブ、「審判のクスノキ」と言われる障害物もあるので、毎年転倒する姿はおなじみになっており、コーナーワークやスピード調節が勝負の行方を左右する。

 毎年希望者は1000人を超え、実際に福男に挑戦できるのは抽選で選ばれる200数十名に限られる。さらに、走りの猛者が集っているので、スタート位置が結果に直結する。1番福の大学生は抽選で「15」を引き2列目の左端だったとのこと。自分の「得意」と工夫を活かして年頭の「福」につながったのだから喜びは格別。「消極的な性格だったが、これを機にいろんなことに挑戦したい」と、一つの『挑戦』が次の挑戦を産むようだ。

 「2番福」は、鳥取市からこのレースのために駆けつけた23歳の消防士。「被災された石川の方々に、この姿をテレビで見てもらって元気を届けたい」と消防士らしいコメント。きっと被災地にも思いが届いていると思う。また、「3番福」は同神社近くのアメリカンフットボール部所属の23歳大学生。友だちのSNSを見て参加したそうだが、この結果に、「まさかこんな結果になるとは。今まで自分のことばかり考えていたけれど、こんな福を手に入れて、これからは人のために生きていきたい」と、こちらも「福」が「福」を呼ぶことに期待。

 大谷選手が高校時代に作成した「目標設定シート」はあまりにも有名だが、目標である「ドラフト1位8球団」を達成するために「運」も要因であるとしている。その「運」を身につける(呼び込む)ためには、「あいさつ」「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「道具を大切に使う」「審判さんへの態度」「プラス思考」「応援される人間になる」「本を読む」が必要だとしている。

 何だかいつも生徒に言っている内容のような気がする。今挙げた4名は、いずれも19歳から29歳の若者だが、還暦近い私が学ぶことばかりである。当たり前だが、教師だからといって偉くもなんともない。年齢に関係なく、学ぶ姿勢を忘れないようにしたい。

 15歳から18歳の本校生。人生は、まだまだこれから。伸びしろ有りすぎ、頑張れ、東高生!

  「福」を得る てっとりばやく 「ふぐ」とする