校長日記其の七百四十四〜それぞれの週末〜
この土日は、大学共通テストだった。本日、一斉に自己採点を行うが、生徒にとっては、第一志望を受験するか、第二志望に切り替えるかの選択に迫られる。
朝から雨のうえ、JRも京阪も遅延のため、生徒集団も少々慌てて登校。表情を見る限り、いつもと変わらぬ様子だが、「どうやった?」声をかけると、「だいたいできました」と笑顔の生徒もいれば、「さっぱりでした・・・」と落ち込んでいる生徒もいる。「とりあえず終わりましたー!」とホッとする生徒もいるが、内心はいかに。点数が気になる生徒は、すでに速報や新聞で自己採点を終えているかもしれない。
私も、毎年、国語の問題に挑戦している。じっくりと解くこともあるが、いつも試しに問題の本文を読まずに小問のみを見て解く。生徒のように、眼の前の点数に縛られることがなく、時間にも心にも余裕があるからできることだが、それだけでも、聞かれていることに答えていない解答や、ズレている解答を消去できるので少しは正解に近づける。漢字は、選択問題なので、同音異義語以外は大丈夫で、古語の意味についても、大体は現代語の意味と間違いそうな言葉が問題になるので、特徴的な意味を選択すれば良い。といいつつ、漢文の押韻問題で、「七言の場合は、一句と偶数句」の決まりを優先し、間違ってしまった。
要は、「問題文を丁寧に読む」ということが大切で、聞かれている内容や意味を一つ一つ丁寧に、素直に拾うと、選択肢の言葉の中に、ん?という箇所が出てくる。あるいは、ピッタリはまる箇所が見つかる。見当をつけた後に、足りぬ情報を主に本文の前後を確認して正解を選ぶ。
これはあくまでも正解を得るための方法の一つなので、「知識の蓄積」とはいえないが、「生きる力」という点では、捨ててはおけない力だと思っている。繰り返しになるが、教科・科目を問わず、「問題文を丁寧に読む」ということが大切で、思い込みや勘違いを避けることにつながる。
受験した3年生よ。悲喜それぞれあるが、目標に達した生徒、油断するな!満足ではないが、第一志望に挑戦できる生徒、逆転だ!残念ながら、志望校を変更せざるを得ない生徒、気持ちと行動を切り替えよう!本番はこれから!あと2ヶ月、安心せず、あきらめず、自分の人生、自分で開こう。最後まで応援する。頑張れ、東高生!
「共通」と いえども個々の ゴールあり
放課後、あまり出来がよくなかったという生徒と会った。それでも「最後まで勉強した甲斐はありました」と笑顔で言ってくれた。努力は裏切らない、と思った。
※写真はJRの駅。最近、入学や卒業、受験シーズンになると、このような粋なはからいをよく見かける。実に、ありがたい。