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校長日記其の七百五十一〜人の役に立つ〜

 「僕、転職するんだ!人の役に立つ仕事がしたくて・・・」というCMがある。あくまでも転職を勧めるCMなので、画面の中の男前に真剣に突っ込むつもりはないが、そのCMを見るたびに「人の役に立たない仕事なんかないよなぁ」と思ってしまう。

 確かに、直接人と接し、その人に「ありがとう」と言われて、役に立っていることが実感できる仕事は、いわゆる『自己有用感』を日々感じられ『やりがい』があるが、人と接してはいない仕事でも、巡り巡って誰かの役に立っている。

 誰しも、目の前に人がいなくても、誰かの役に立っているだろうことを想像し、あるいは、そこまで考えずとも、与えられた仕事に一生懸命取り組んで、その分の給料をいただくことを繰り返しているのだが、この『自己有用感』が曲者で、給料のため、と割り切って働ける人はよいが、実はそうして自分のためだけに働ける人は少なく、ほとんどの人はその「ありがとう」を欲してしまう。その言葉を見返りと呼ぶなら呼んでもいいが、そういう「人の役に立っている」という実感で仕事を続けられる人は多い。

 「誰かの役に立ちたい」という気持ちは、ヒト特有のものだと専門家が言っていたような気がするが、いやいや、動物が仲間を助ける映像を何度も見たことがあるし、一種、本能のようなものだと思う。毎日「ありがとう」と言われれば、それはそれで嬉しいことだが、いつか自分の研究が世界を変えると信じて取り組んでいる方もいるし、「かんさい〜♬でんきほ〜あんきょ〜かい!」の方も人の寝ている間に私たちの安全を守ってくれている。皆さん、それぞれの仕事にプライドを持って取り組んでいる。

 「置かれた場所で花を咲かせる」という気持ちも大切だ。さて、君たちはどう生きるか、東高生!

  自己満も 明日の活力 Here we go!

 放課後、職員室前の廊下で、質問に来た生徒に丁寧に教えている教員がいた。それを微笑ましく思いつつ校長室に入ると、しばらくして、その生徒の「ありがとうございました!」という声と、「また、おいで〜」という教員の声が聞こえた。役に立ってるなぁ...。