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校長日記其の七百五十二〜専門学科の学びのかたち〜

 すでに掲載されているとおり、本日は、「理数探究発表会」。専門学科「理数科」の1年間の探究学習の成果を発表する。

 「理数探究」とは、「さまざまな事象に関わり、数学的な見方や考え方、また理科の見方や考え方を組み合わせるなどして、探究の過程を通して課題を解決するために必要な基本的な資質や能力を育成する科目」(学習指導要領)であり、例えば、次のような脂質・能力を育成することを目的としている。

・既に有している知識・技能の活用及び探究を通じて得られる内容に関する知識や探究に関する技能

・探究を通して新しい知見を得る意義についての認識

・研究倫理(生命倫理等を含む。)についての基本的な理解

・多様な価値観や感性を有する人々との議論等を積極的に行い、それを基に多面的に思考する力

・科学的、数学的課題や事象に徹底的に向き合い、考え抜いて行動する態度

・見通しを立てたり、振り返ったりするなど、内省的な態度

・新たな価値の創造に向けて積極的に挑戦しようとする態度

・主体的・自律的に探究を行っていくために必要な研究に対する倫理的な態度

 また、個人で探究することもいとわないが、学校としてはグループでの探究を勧めている。今日も大学の先生から様々な指導助言を受けたが、その中に「先行研究の調査結果や実験結果を鵜呑みにしてしまい、自分たちの結果を誤りだととらえるのはいけない。自分たちの行った目の前の実験結果(事実)を素直に、まっすぐに受け止めて分析、考察しないといけない」とのご指摘があった。まさに、その通りだと感じたし、今のネット情報をむやみに信じてしまうのと同じだとも感じた。ある班は、先輩の先行研究でできていなかった、実験の条件をきちんと揃えて行うという、先行研究よりも正しい実験方法であるにもかかわらず、結果が先行研究と違ったということで不安になり、結果として、自分たちの数値を信用していなかった。いやいや、何のための実験か、という気がした。せっかく上手く進めているのに・・・。ということで、私が生徒たちに言ったのは、そのためにグループで探究を行っているということ、誰かが「次はこうしよう」「この結果はこうだ」といっても、それを「いや、こうではないか?」「それはちょっとおかしいのでは?」と周りの誰かが疑問を呈することができる。そうして、研究方法や考察の修正を行うことができると。やはり、そうして話し合う過程で、思考力や正しい判断力が身につくのだと思う。

 また、この班だけでなく、「問い」と「考察」「まとめ」があっていなかった班も数班あった。彼らにしてみれば、興味、関心でいざ探究を始めたものの、進めるうちに考えることも増え、自分たちが何をやろうとしているのか迷いが生じたものと思われる。常に原点に帰ること。

 ただ、探究は単にゴールを達成すればよいということではなく、どのような過程を辿ったのかが大切。また、それを振り返ることで大学での勉強や研究に生きてくる。最適解はあるのだろうが、上手くいかないことも大切な学びなのである。

 人生など、上手く行かないことのほうが多い。その時にどうするか、また、同じ失敗をしないようにどう生きるかが大切だ。こうして偉そうに言っているのは、失敗だけは誰にも負けないぐらいしているからだ。失敗は成長のチャンス、東高生!

  失敗は いっぱいしてこそ なんぼです

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 さて、コチラも専門学科である「英語科」の2年生、文化・語学研修も4日間の旅程を終え、新大阪駅に無事到着。初日から新幹線の運休やら、2日目以降の大雪など、イレギュラーなこともあったが、それも自然の為すことなので、受け入れるしかない。少し疲れた表情が見えたが、生徒に聞くと、皆「楽しかったです!」の一言。今日も良き冬の一日。

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