校長日記其の七百七十九〜より濃い卒業式を!〜
卒業式当日、体調不良のために出席できなかった一人の生徒、勉強も部活動も一生懸命取り組み、友人と一緒に卒業したかったであろうに...。当日から約一週間を経て、本日、たった一人の卒業式を校長室で行った。
本人はお母さんとともに来校、お二人共、卒業証書を渡されるだけだと思っていた様子だったが、何をおっしゃるか、300人であろうと、1人であろうと、生徒一人ひとりの大切な思い出に、手を抜く訳には行かない。正装をして、入場から退場まで、当日同様に厳かに進め、当日同様に無事に終えた。
ただ、当日と違った点は、すぐ目の前にいる生徒と1対1で目を合わせると、さすがに300人を見渡すよりも感情が湧いてきて、生徒の自然な涙を見てしまうと、こちらも抑えきれなかった。
本人も「友達と一緒に卒業式に出られなくて残念でしたけど、今日、こんな式をしていただいて、大学に行っても忘れられない思い出に残る卒業式になりました」と言ってくれたし、式の間、ずっと撮影していたお母さんからも「証書をいただくだけだと思っていました。ありがとうございました」と感謝の言葉をいただいたので、万事良き。
不運な出来事があっても、その後には、必ずもっと良いことが起こるのだと、単に運の話ではなく、人の力で簡単にできるのだと思っている。ピンチはチャンス。ただでは転ばない...串カツ屋に生まれた商売人魂も捨てたものではないと昭和ゴリラは思うのである。
卒業おめでとう!こちらこそありがとう。達者で暮らせ!
立つ鳥よ 良き思い出のみ 持ち帰れ