理数科

1 理数科の目標

科学技術の基礎知識を身につけて将来の科学者・技術者をめざす人材を育成する

 自然科学や数学の基本理念、原理・法則などについて、基礎から系統的に学習することにより、論理性・柔軟性を養い、さらに科学思考力や独創性を高め、研究する態度を身につける。卒業後は理学部・工学部・医療系学部・薬学部・農学部などの大学へ進学して、各方面で活躍できる人材を育成することを狙いとしている。

 数学においては全分野を基礎から系統的に深く学習してより専門的な知識を身につけ、自分の論理を他者に分かりやすく説明する表現力を養う。理科においては4分野(物理・化学・生物・地学)を系統的に学習し、実験・実習もより多く取り入れて行う。

 また生徒の主体性や科学的な思考力・判断力を伸ばすため、探究的な取り組みを1年次~3年次にかけて計画的に取り入れている。

理数科の取り組みについて.pdf(←クリック)】

2 理数科の特色

  1. 理科について、4分野(物化生地)すべてにおいて実験室・講義室をもち、恵まれた環境を活かし、実験・実習を多く取り入れた授業を行う。少人数制および科目選択で学習を深める。
  2. 数学について、20人の少人数制で授業をし、視聴覚機器が利用できる専用教室で授業を行う。また、90分の考査時間や徹底した添削指導により論理力と表現力を鍛える。
  3. 宿泊野外実習・探究基礎・先端科学研修・集中ゼミ、課題研究など、体験型の実習を重視し「国際的な科学技術系人材の育成」をめざす。
  4. 3年次には希望進路に応じて理系科目の多いAコースと文系科目の多いBコースを選択することができる。
  5. 外部への発表会や科学系コンテストへ積極的に参加し、科学への興味・関心を喚起させる

3 理数科の行事

1.宿泊野外実習(1年生)

 1年次の7月に、自然環境に恵まれた岡山県瀬戸内市にある牛窓において2泊3日の日程で実施している。大学とも連携した行事であり、岡山大学からの実験サンプルの提供や、岡山理科大学の先生方による実験など、専門性ある多様な実習が行われる。理数科1期生の頃から行われているウニの発生実習など、実物に触れる体験と研究者との対話から自然科学的な思考力と粘り強い探究心を養う。

・ウニの発生実習 ・魚の解剖実習 ・地質の観察

・ウミホタルの発光観察 ・天体望遠鏡による天体観測

738D0B46-8070-4C16-A384-06A488DBD4E1 (2).jpegAA87C215-B784-4A45-AF57-341DCAE7EA95.jpeg

A0D70FF1-118C-4587-A3FE-33D58CC6716E (2).jpegIMG_1966.jpg

2.探究基礎実習(1年生)

 H26年度より行われている「SS科学基礎-川と水辺の科学-」の実習を発展させた1年生の探究活動。1年次の8月に、数学・物理・化学・生物・地学の5班に分かれ、様々な実験や観察を行ない結果や考察を発表する。2年次の課題研究に向けた自然科学的な思考力を養うだけでなく、プレゼンテーション能力の向上も図る。

・確率「さいころの確率と運の良さの関係とは?」・重力加速度「g = 9.8m/s2って本当?」

・水質汚染「汚染度の数値から分かる水の状態」 ・水生生物「水に棲む生き物と川の汚れ具合」

・火山灰「鉱物から読み取るマグマの性質と噴火時の環境」

理数科1年生_探究基礎実習(生物1).jpeg理数科1年生_探究基礎実習(地学).jpeg

理数科1年生_探究基礎実習(物理).jpeg探究基礎実習_発表会①.JPG

3.先端科学研修(2年生)

 2年次の10月に3泊4日の日程で実施している理数科での修学旅行。京大学や茨城県つくば市のつくば研究学園施設を見学しながら施設の研究者へ直接質問をし、最先端の研究や技術を肌で感じることにより、学校では得ることのできない体験をする。生徒の興味関心に応じた班別で、数ヶ所の研究施設を訪問する。また、東京ディズニーシーや浅草での散策も行う。令和3年度は研修先を九州地方に変更しているが、本年度(令和4年度)は研修先を例年通りに戻し、東京・筑波方面への宿泊を実施した。

・東京大学での生講義や研究室見学 ・宇宙航空研究開発機構(JAXA)の見学

・つくば研究施設群への施設訪問  ・東京ディズニーシー

・浅草観光

IMG_9092.jpgIMG_9090.jpg

IMG_7689.jpgunnamed.jpg

IMG_1259.JPGIMG_3720.jpg

4.理数科集中ゼミ(2年生)

 2年次に数日間をかけて実施している。このゼミは物理・化学・数学を中心として、高校の履修範囲を超えたより専門性の高い内容を学び、自然科学への一層の 興味・関心を持たせることを目的としている。

・集中ゼミ 物理:「光速測定」 

・集中ゼミ 化学:「電離平衡」

・集中ゼミ 数学:「物理と数学の接点」

集中ゼミ_数学①.jpg集中ゼミ_化学⑧.jpg

集中ゼミ_物理⑥.jpg集中ゼミ_物理①.jpg

5.課題研究(2年生)

 2年次の「課題研究」では、数学、物理、化学、生物、地学の各分野に少人数のグループに分かれ、生徒自身が興味・関心のある研究テーマを設定し1年間かけて研究している。1月には研究成果を発表するために研究活動発表会を実施され、発表会の審査員には大学の先生も加わり、生徒と質疑応答を交わしながら講評をしてもらう。さらに、大阪サイエンスデイやSSH全国大会へ参加することにより、他校生と科学を通じて活発な情報交換を行い、研究内容を深化させる。

 また、2月には生徒研究活動発表会が実施され、2年生の普通科・英語科・理数科の全学科で課題研究、探究活動の成果を発表し合う。他学科の発表を聞くことで、知らなかった学問への知見や興味・関心の幅を広げると同時に、学科間の繋がりを深めている。

IMG_6127.jpgIMG_2465.JPG

7FBABAA4-2394-48ED-8F3B-EBEE7B224828.jpeg124A73FC-D597-43C4-9200-7FE3F7C801E8.jpeg

6.理数科レクチャー(1~3年生)

 平成7年度から大阪市立大学理学部の教授による本校理数科生徒に対する特別講座として開講された。現在では大阪公立大学のほか、大阪大学、京都大学、理化学研究所など、他の大学や施設からも講師をお迎えし、幅広い分野の講演を開催している。

・レクチャー進路編 ・レクチャー理学編(数学、物理学、化学、生物学、地学)

・レクチャー医学編 ・レクチャー光学編