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第16回全日本高校模擬国連大会 体験記

高校1年1組34番 松本 百羽  3組17番 坂本 葵

・模擬国連とは何か、全体の流れ

 私たちは、第16回全日本高校模擬国連大会の予選と本選に出場しました。

 「模擬国連」とは、参加者が各国の大使になりきり、実際の国連会議を模した場で国際問題について議論する活動です。参加者は国連の場において各国を代表する大使になりきり、事前に担当国や議場、議題、国際情勢についてリサーチし、与えられたテーマについて政策を立案します。ちなみに私が無知すぎただけなのだと思いますが、「模擬国連界隈」というものがあったことに驚きました。一部の私立などの学校では、「模擬国連部」という部活まであるそうです。

 私達が出場した第16回全日本高校模擬国連大会の流れは、準備(リサーチ)⇨予選⇨準備(リサーチ)⇨本選⇨NY派遣というもので、2人1組で一国の大使を担当しました(1校出せるのは2組まで)。審査のもと、6組までがNYに派遣され、世界の模擬国連に参加することになります。

 まず、9月17日(土)にオンラインで予選会がありました。全部で約150校、約260ペアが参加し、予選には書類審査などなく出られました。全部で12議場あり、だいたい1議場には20組(20カ国)ほどの大使が出場していました。Googleドキュメントを共有し、Zoomのブレイクアウトルームを分けながら「国際移住と開発」というテーマについて、各国が政策を持ち寄り、すり合わせて新しい条文を作成しました。私達はカナダ大使でした。

 そこから参加者を約3分の1に絞って臨んだ本選は、11月12日(土)・13日(日)に東京の模擬国連大学で行われました。本選は2議場に分かれていて、1議場40カ国でした。やはりオンラインと対面では決定的な違いがありました。なによりも、発言のしやすさです。オンラインよりも発言しやすくなった代わりに、各国で意見がぶつかりやすくなりました。オンラインの難しさ、対面の難しさを2つとも知ることができてとても良かったです。本選では、私たちはグアテマラ共和国の大使として国連を模擬することとなりました。議題は「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」です。正直あまり、いや、全然意味がわからなくて、混乱しました。これはILOという国連の専門機関が出している宣言で、多国籍企業にどのぐらい社会保障の責任を負わせるのかなどを話し合い、その内容をその宣言に追加するという形の会議でした。私達からするととてもハイレベルな会話が繰り広げられ、必死でついていき、必死で発言しました。甚大な集中力を要し、ほぼ丸2日間に渡る会議はとても楽しく、濃厚で、疲れました(笑)。

 最終的には半年をかけて挑んだ大会になりました。死にものぐるいで準備したし、ニューヨークにはいけませんでしたが、私達は人生で最高の経験をすることができました。

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・感想

 私は高校生全国模擬国連大会に出場したことで多くの変化を得ることができました。

 私のパートナーもまさか予選を通っているとは思っておらず、2週間前に控えたテスト勉強を始める気満々でした。だから、一応見ておくかーのテンションでみた予選通過発表に腰を抜かしました。私は大会に出ること自体が初めてで、英語弁論大会などに出たことがあるパートナーや協力してくださる先生方に迷惑をかけないかとても心配でした。予選を含めて約半年に及ぶ準備期間は案の定迷惑をかけっぱなしで、本選直前はもうやめたいという気持ちが大きかった気がします。もともとコンビニの支払いも店員さんが怖くてできないくらい人と目を合わせたり話したりするのが苦手な私が、対面で国際問題についてディスカッションをするなんて考えられませんでした。

 毎晩、私1人だったら既に諦めていると母に嘆きながらドキュメントと何時間もにらめっこしていました。2週間に1回ほどの頻度で先生方と情報の共有をする会議をしていただいていました。放課後の図書館で暗くなるまで先生方がアドバイスをしてくださって本当に助けになりました。私はその会議を小さなゴールとして毎日情報を集めていましたが、当日は準備してきたことを上手く話せず、先生方にフォローしていただいてやっと伝えられるといった感じでした。改善方法を探そうとしなかった私は、イメトレはばっちりなのにその通りにできない!という悩みが本番まで続くことになりました。本選の1日目は、予選でみた強豪の生徒達を現実に目にしたことで本当に怖くなりました。芸能人を間近で見たような、そんな感覚でした。ディスカッションは周りの空気に圧倒されて全くと言っていいほど発言できず、パートナーは比較的発言できたと言っていたことも相まって心が折れそうでした。しかし1日目の夜、先生方がZoomで会議をしてくださったときに自分が成長していることに気づきました。1日目の経過を説明する際、自分でも驚くくらいすらすらと言葉が出てきたからです。誰かと話をするのがとても楽しく感じて、翌日に向けたアドバイスも先生方からいただけたことで、2日目は積極的に発言することができました。

 成長の決め手はやはり経験だと感じました。誰かに自分の肉声を届けること、自分が出会ったことのないほど思考力の優れた人と対等に話をすること、立派な会場。全てが新鮮で厳粛で、私の世界を広げてくれました。

 模擬国連に限らず、自分の知らない世界、想像できない世界に足を踏み入れることはとても怖く、勇気が必要です。ありきたりな話ですが、私は心からそう感じました。

 私は大きく成長した自分を誇らしく思います。今後はこの気持ちの維持とともに新たな発見や出会いのために積極的に行動しようと思っています。

 今振り返ると、この半年間はただひたすらに最高でした!!!!!!